「学校にはちゃんと行きなさい」と言ってくれたディレクター

 長沖ディレクターは役作り以外にもたくさんのことを教えてくれた。とくに「放送が終わって、もしかしてすごく有名になってお仕事がいっぱい来るかもしれない。でも、学校にはちゃんと行かせてほしいし、行きなさい」とは、ことあるごとに母と2人を呼んでは繰り返し言われたという(「日経クロスウーマン」2019年3月26日配信)。これを受けて2人は授業にはできるかぎり出席する。撮影と学校の運動会が重なったときには、運動会に行ってくるよう長沖に言われ、スタッフたちは2人が戻るまで撮影をいったん止めて待ってくれた。その後、中学、高校と進んでからも、所属事務所が対応してくれたおかげもあり、仕事より学業を優先し、学校行事やテストは一度も休んだことがないという。

双子の子役として人気を博した(三倉佳奈のインスタグラムより)

『ふたりっ子』で彼女たちがヒロインの少女時代を演じたのは第8回までだったとはいえ、すっかり人気者となり、街を歩いていても「麗ちゃん、香ちゃん」と役名でしきりに声をかけられた。2人をもういちど見たいという視聴者の熱烈な声を受け、ドラマの終盤には麗子の双子の娘役で再登場している。このとき2人が劇中で歌った「二千一夜のミュウ」はCD化され、歌手デビューも果たす。

面倒くさがり屋な姉・茉奈と、コツコツタイプの妹・佳奈

 ちなみに『ふたりっ子』の姉妹は二卵性双生児という設定で、茉奈と佳奈も出演当時、自分たちは二卵性双生児と思い込んでいた。周囲からは「二卵性なのにそっくり」とよく言われたが、その後20歳のときにテレビ番組でDNAを調べたところ、じつは一卵性双生児だったと判明する。

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『ふたりっ子』の放送当時、2人はお互いの違いを訊かれるたび、茉奈のほうが少しタレ目で、佳奈のほうがドングリ目と答えていた。双子だけに何かにつけてくらべられてきたせいか2人とも負けず嫌いに育ち、とくに佳奈のほうがそのきらいが強かったらしい。佳奈はのちに振り返って、《学校のテストも茉奈より1点でもいい点をとりたくて、勉強ばっかりしてました。ちょっとでも茉奈に負けると「もうっ!」と、家で暴れ散らかして、モノに当たってそれは大変で(笑)》と語っている(「CHANTO WEB」2023年10月28日配信)。

負けず嫌いに育ったという(三倉茉奈のインスタグラムより)

 これについて姉の茉奈も、テストの点数で《佳奈が負けたときは家中がピリピリした雰囲気になる。ただ、勝っても負けても、テストの順位でいえば、いつも一つか二つの違いしかないんですけど(笑)》と明かしている(「ヨミドクター」2018年1月26日配信)。茉奈によれば、自分は本来面倒くさがり屋なのに対して、佳奈はコツコツやるタイプで、隣の机で彼女がバリバリ勉強していると自分もやるしかなく、それがよかったという。