「気づいた時には既に手遅れ」――がんの中でも難治性がん代表として最も恐れられる膵臓がん。9割の患者が診断から5年以内に命を落とす。最大の防衛術は0期の超早期発見。“最恐がん”から命を守る最新メソッド。(初出:「週刊文春 電子版」2025年12月11日配信)
罹患者数に対して死亡者数が極めて多い膵臓がん
「数あるがんの中でも、最も厄介と言われるのが“サイレントキラー”と呼ばれる膵臓がん(膵がん)です。身体の異変に気付いて病院に駆け込み、診断がついた時にはもう手遅れ。自覚症状がないまま進行し、肝臓や胃、十二指腸など周辺臓器に転移してしまう。命の危険に直結する恐ろしい難治性がんなのです」
そう語るのは、老年科専門医で、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授である。これまで、40年以上に渡って、老年病(高血圧症や糖尿病、動脈硬化などを指す)の研究を続けてきた。
膵臓は、身体の正面から見るとちょうど胃の陰に隠れるように存在し、「暗黒の臓器」とも「沈黙の臓器」とも呼ばれる。消化液である膵液や、血糖値のコントロールを担うインスリンなどのホルモンを分泌する重要な臓器だ。
膵臓がんの8割以上は、膵液が通る膵管に発生する。
「膵管がんと呼ばれ、一般に膵臓がんといえば膵管がんを指します。初期段階においてがん細胞は膵管の内部に留まっています。進行するとがん細胞が膵管の周囲に浸潤して、肝臓や肺、腹膜などへ転移するケースが多いです」
国立がん研究センターの統計(2021年)によれば、膵臓がんの罹患者数は4万5819人。一方、死亡者数は、4万175人にのぼる(厚労省「人口動態統計」23年)。他のがんと比べても、罹患者数に対して死亡者数が極めて多い。
「罹患者は増加の一途を辿り、23年には胃がんを抜いてがん死の第3位に躍り出ました。年代別にみると、罹患者は60代に入って増え、70代でピークを迎えます」
《この続きでは、●5年生存率は10%台、異変を感じたら…… ●50代以降で血糖値急上昇は危険信号 ●超音波内視鏡、造影MRI…最新の精密検査とは などのトピックを取り上げている。記事の全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる。また、本連載をまとめた書籍『90歳まで健康長寿』も好評発売中》

