世界で最も多くの患者を有する肺がん。「タバコを吸う男性が罹るものでしょう?」そんな常識も今は昔。肺がんは、非喫煙者の女性たちの間で増加中なのだ。女性の肺がんの知られざる原因とその対策を老年科専門医で、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授が徹底解説する!(初出:「週刊文春 電子版」2025年12月11日号配信)

 

女性や、タバコを吸わない人に多い「肺腺がん」

 ひと口に肺がんと言っても、その種類は様々だ。

「肺がんには、10以上の種類がありますが、大別すると4つあります。まず、肺がんの中でも最も一般的な非小細胞肺がんと、進行が非常に速く転移しやすい小細胞肺がんに分けられます。さらに、非小細胞肺がんには、肺腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんの3種類があります。発生頻度は多い順に、肺腺がん、扁平上皮がん、小細胞肺がん、大細胞がんとなります」(下方教授、以下同)

 先に挙げた肺がんの中でも、下方教授が特に注視しているのは、近年増え続けている肺腺がんだという。

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「肺腺がんは、4種類の中でも最も罹患者の多い肺がんです。国立がん研究センターの調査(10年)によれば、肺腺がんは肺がんの69.4%、7割近くに上り、女性や、タバコを吸わない人に多い肺がんです。肺腺がん罹患者の約半数が非喫煙者とされ、女性の肺がん罹患者の約7割を占めると言われています」

 肺腺がんは、左右の肺に枝分かれする気管支の末端部分、つまり肺の奥深くに発生する。

「咳や血痰などの自覚症状が出やすい扁平上皮がんとは異なり、初期症状が出にくいのが特徴です。そのため、気づかないうちに進行し、肺の至るところに広がったり、脳や骨、肝臓、リンパ節などに転移し、気づいたときには手遅れとなる場合も少なくありません」

 意外と知られていない肺腺がんのリスク。そこで、「90歳まで健康長寿」を目指すシニア女性のために、本当は怖い肺腺がんの6つの原因と対策を解説してゆく。

 まず、タバコを吸わない女性でも罹りやすい肺腺がんの原因を見ていこう。

この続きでは、●7割は非喫煙者に多い肺腺がん ●1日3食調理で発症リスク3倍のナゼ? ●冬の暖房石油・ガスストーブが高リスクなどのトピックを取り上げている。記事の全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる。また、本連載をまとめた書籍『90歳まで健康長寿』も好評発売中》

次の記事に続く 「閉経後の50~60代で患者が急増」30年で10倍増、子宮体がん…老年科専門医・下方浩史教授が説く「予防と早期発見・治療」の重要性《6つの予防法を紹介》