そうしたら、そこの先生が「おまえは焼きそばを食いに来たのか」と言って、本をプレゼントしてくださったんですよ。「何の本だろ?」と思ったら、落語の本で。

 その先生、私のことを見抜いていたんでしょうね。スケートやれないから、みんなとキャッキャッやってたんですけど、それを見て「面白いヤツだな」とか思ったんでしょうかね。

両親からは「桜のようにかわいい子」「いい女だな」と溺愛されて育ち…

――そこから落語にはまったのでしょうか。

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しのざき 本を頂いたからには、活かさないと申し訳ないなって。学校で発表会とかあったら、ビシッと手を挙げて「落語やります!」「しのざきがやるんだったら、やらせてみるか」みたいな。でも、落語のネタや知識はその本だけで学んで、わざわざ1人で寄席に行ったりとか、噺家さんのテープを聞いたりはしなかったんですけど。

――本はよく読んでいましたか。

しのざき 本は欲しいものがあればなんでも買ってくれたし、家には伝記から文学まで、なんでもありました。

 小さい頃は、母親が読み聞かせしまくってくれて。さらには「本を書いてごらんなさい」と言われて書いてみたら、「うわ~、すごいわねぇ~」って褒めちぎって、それをリボンで綴じて本にして、ご近所に配って回るんですよ。ご近所には迷惑な話ですよね。

――近所に配るのは、ちょっとアレですね。

しのざき イタイですよね(笑)。私、実は両親からすごく溺愛されてきて。母からは「桜のようにかわいい子ね」って、父からは「いい女だな」って言われ続けながら、育ってしまったんですね。

――でも、それはそれで大事な気も。

しのざき そう、大事ですよね。学校ではまったく勉強ができず、通信簿も酷いもんなんですけど、「ああー、もう桜のようにかわいいわね」と親からメチャメチャ褒められる教育をされていたから、自分を卑下することもなく。

 そう言ってくれる親のいる家が、ほんとに心地よかったですね。家に帰れば、教室の生徒さんからいただく美味しいものもいっぱいあったし。

『笑っていいとも!』の素人参加コーナーに出た本当の理由

――アットホームで賑やかな環境で育っていますよね。

しのざき 生まれたときから当たり前のように、人が集まる家でしたしね。学校の友だちがうちのピアノ教室へ習いに来て、ピアノの先生も一緒になってご飯を食べて。母が料理好きで、みんなを集めてはもてなすんですよ。

 そこへ篠崎電気の下請けをやってくれていた会社のフィリピン人の従業員の方々や、たまたま営業に来ていた保険屋さんも加わってごはんを食べるという。みんな仲良かったし、賑やかでしたね。

――そんな環境で育つ中、どんな夢を抱いていました?

しのざき 小学校で「将来なりたいものは?」なんて時に「女優さんのマネージャーになります」とか言って書いたのを覚えていますね。

――女優ではなく、マネージャー。

しのざき 不思議ですよね。母にすごく褒められて育ったことで、誰かを応援したり、支えたりすることが根っから好きなんですね。だから、女優じゃなくて、女優を支えるマネージャーになりたかったんじゃないかなって。

『笑っていいとも!』の素人参加コーナーに出たのも、私が出たかったんじゃなくて、友達が出たがっていたんですよ。で、手助けのつもりで出たらああなって、こうなったんです。

撮影=橋本篤/文藝春秋

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