債務超過は「なんてことない」
成田 では、いまも日銀総裁だったら、まず何をされますか?
黒田 一つは、(異次元緩和で国債を大量購入したことで)膨れ上がった日銀のバランスシートを減らすということですよね。
ただ国債は満期が来れば償還されるので、バランスシートは自然と縮小していきます。むしろ急激に減らすことで市場にショックを与える方が怖いし、財務的に差し迫った問題があるわけでもないので、慌てる必要はないと思います。
こう言うと「国債の金利が上がると、逆ザヤになって日銀は債務超過になるんじゃないか」と余計なことを心配する人がいるんですが、実際は、再投資によって利回りの高い国債に徐々に入れ替わるため、計算上、深刻な問題にはなりません。
成田 利回りが高まった新国債への再投資で生まれる利益が緩衝材になるということですか。
黒田 そう。その入って来る分を計算すると、債務超過にはほとんどならない。ついでに言うと、スイス国立銀行やオーストラリア準備銀行は過去に何度か債務超過になってますが、彼らは「まったく問題ない。債務超過が政策運営に支障をきたすことはない」という認識でした。
成田 黒田さんも同じ認識ですか?
黒田 そうそう。平気。債務超過になってもなんてことない。
成田 それ、見出しでお願いします。「債務超過、ドンとこい」。
黒田 (笑)。
※約7200字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています(黒田東彦×成田悠輔「いまは金融も財政も引き締める時です」)。この他にも「文藝春秋PLUS」では多数の関連記事をご覧いただけます。
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出典元
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作二作全文掲載 鳥山まこと「時の家」 畠山丑雄「叫び」/忖度なき提言 高市首相の経済政策/緊急座談会 暴君トランプの新帝国主義
2026年3月号
2026年2月10日 発売
1650円(税込)
