西村 医局というのは、その大学病院や関連病院の診療科ごとの巨大な人事を握っていて、キャリア養成機関としての役割を担う場所です。通常、出身大学の医局に入れないことはあまりありません。体感では8~9割ははじかれないと思います。

 “社会からこぼれた”人を拒絶する東大医局に感じた違和感

――ほとんどの人が入れるにも関わらず、西村さんはなぜ入れなかったのでしょう。

西村 私の年齢や経歴が怪しいからでしょう。履歴書でみたとき、あまりに寄り道が多すぎるし、いわゆる“外れ値”と思われたのだと思います。実際、同時期に医局に入ったメンバーをみても、特に自分の能力が劣っているとは思いません。怪しげでかつ年齢が行き過ぎていることが原因だったと思わざるを得ません。

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 ですから、東大が「多様性」を強調することに非常に強い違和感を覚えます。もっといえば、このような大学が多様性を語るのは笑止千万です。世の中に当たり前にいる “社会からこぼれた”人たちの声を聞く準備が整っているようには感じられません。

――幸か不幸か、それでキャリアの方針が決まった。

西村 そうです。仕方がないので自力で探していたら、アルコール依存症に力を入れている成増厚生病院が後期研修を受け入れてくれ、そこで専攻医研修を行いました。その後、さらに深い勉強をしてみたいと思って久里浜医療センターに移り、その後、同病院の精神科病棟長を拝任しました。そして、昨年4月に、ここ「こころのクリニックひだまり」(東京都練馬区)を開業しました。

西村氏が開院したクリニック

 すると、これまでは見えてこなかった精神科医療の別の闇に触れることになるんです。

次の記事に続く 「3ヶ月でマイスリー2700錠」お薬手帳を悪用して30の病院を回って…精神科医が赤裸々に明かす“転売プロ”の巧妙な手口

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