また、サッカーの試合が行われたスタッド・ヴェロドロームスタジアム(マルセイユ)の屋根も手がけている。同スタジアムは1937年に完成した歴史あるスタジアムで、同社は2014年の大規模改修に参画した。この改修によりUEFAチャンピオンズリーグなど主要な試合開催に使用されるスタジアムに認定された。
フェンシングでは日本選手の活躍が目立ったが、太陽工業は会場となったグラン・パレにも関与した。グラン・パレは1900年のパリ万博のために建設されたガラス張りの建物。太陽光が眩しくて試合の妨げになることを防ぐために建物を布で覆ったが、この布の製造と施工を手がけたのも同社だった。
さらに、2025年開催の大阪・関西万博では約20カ所で同社が設計・施工を担当。太陽工業が協賛する万博サウナ「太陽のつぼみ」では、設計・建築・施工から運営まで太陽グループのソリューションを結集させた。
宇宙製品を開発する構想も
太陽工業はフレキシブルコンテナバッグの製造も行っている。フレキシブルコンテナバッグとは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの化学繊維により製造された頑丈な袋。プラスチック製品の樹脂原料をはじめ、粉粒体全般の輸送や貯蔵などに使用されている。バッグ全体を支える丈夫な吊りベルトが上部に付いており、フォークリフトやクレーンなどで吊って持ち上げることが可能だ 。
充填重量は0.5~3トンだが、未使用時には畳んでおけるので、保管スペースが小さくてすむ。鉄製のコンテナと比べると、はるかに低コストで使用できる 。
そのほか、土木工事現場で使用されるさまざまなシートも手がけている。雨水や河川水の浸入を防ぐ防水シートや法面(盛り土や切り土の斜面)を強化するポリエチレンシートなどだ。また、水域工事において汚濁水の拡散を防止するシートも製造している 。
さらに、宇宙関連製品を開発する構想もある。宇宙基地を膜構造建築物でつくろうというのだ。資材を畳んで月面まで運びそこで膨らませば、従来の建築物と比べて資材運搬のコストと手間を大幅に減らすことができる。このプランが実現するのはかなり先のことだろうが、膜構造建築物の可能性の大きさが感じられる。