物流システムという、私たちの生活に不可欠ながらも普段あまり意識することのない分野で、9年連続世界売上高1位を誇る日本企業があるのをご存じだろうか。特に近年は、生成AIやデータセンター向けに需要が急増する半導体の製造現場で、50%以上の圧倒的なシェアを誇る自動搬送システムを手がけている。しかしこの会社、かつては苦汁をなめた経験も……。
4000社以上の企業を取材してきた著者が、小規模なマーケットで圧倒的な世界シェアを誇る50の企業を大解剖した『世界シェアNo.1のすごい日本企業』(田宮寛之著、プレジデント社)より一部を抜粋して紹介する。
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マテハンとは「マテリアル・ハンドリング(Material Handling)」の略語で、直訳すれば「モノを扱う(動かす)」という意味。「工場や物流センター内で原材料や製品などを仕分け・搬送・保管する機械と技術」を指す。
マテハンなしに物流の効率化はありえない
例えば、コンビニエンスストアの各店舗に商品を供給する物流センターでは、自動倉庫に保管している商品をピッキングシステムで効率的に集め、高速自動仕分け装置で店舗別に仕分けしてから運び出す。こうしたピッキング装置や仕分け装置などのハード、そしてそれらを操作する技術・ソフトウエアを合わせたものがマテハンだ。マテハンなしに物流の効率化はありえない。
マテハン業界の世界ナンバー1企業はダイフク。2015年から売上高世界1位が続いている。世界中の工場や物流センター、空港などでマテハンビジネスを手がけるが、近年は半導体工場向けのマテハンビジネスが伸びている。半導体工場向け自動搬送システムの市場では50%以上のシェアを誇る。
