“リクライニング声掛け論争“に終止符

近鉄のアーバンライナーネクストでは、この解消を図ってゆりかごシートを開発しているから、この意見も正しいかもしれない。しかし、長時間を過ごす座席は、常に同じ姿勢を保てるものではない。姿勢の変化を許容するゆとりのある座席が望ましいと考える。

リクライニングシートは後ろのお客に倒れ込むように作用するので、倒す際には声をかけることがエチケットとされているが気を使うこともある。

そこで「ひのとり」ではシェルタイプの座席として解決している。椅子が大きくなるのと背ずりの上部に隙間ができるのが難点であるが、優等列車では一つの解決法であろう。

南井 健治(みない・けんじ)
鉄道車両デザイナー
1957年、京都市生まれ。1979年、京都市立芸術大学卒業後に近畿車輌株式会社に入社。以後30年にわたって鉄道車両のデザインに従事。JR西日本、東京メトロ、大阪市交通局などの車両のほか、叡山電鉄の観光列車や広島電鉄のLRVなど、多彩な車両を手がけ、アメリカや香港、ドバイなど、海外案件にも多くの実績を残す。2015年より役員となり、取締役常務執行役員を2024年に退任。現在はフリーの立場で、雑誌などに多数寄稿し、鉄道車両のデザインの裾野を広げるべく精力的に活動している。日本インダストリアルデザイン協会会員。近著に『鉄道車両デザインの教科書』(イカロス出版・2024)、『車輌の外部色』(機芸出版・2024)。
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