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2月27日(金)の夕方、マンガワン編集部が声明を発表した。一路一と山本章一が同一人物であること、別名義での起用が「本来すべきではなかった」こと、編集者が示談交渉の場に関与したことを認め、謝罪した。
しかしこの声明への不満から、「マンガワン」に作品を掲載する作家たちが次々と声を上げた。週末を挟む金曜夕方という発表のタイミングへの不信感も重なったのだろう。翌28日、小学館が「会社として管理監督責任を問われる重大な事案であり、人権・コンプライアンス意識の欠如があった」として本体名義の声明を発表した。作家たちの声が組織を動かしたのである。
誰が何をどこまで知っていたのか
だがどちらの声明も、問題の核心については沈黙したままだ。担当編集者の処分への言及はなく、当時の編集長・和田裕樹氏の責任への言及もない。『常人仮面』の連載開始時の編集長は豆野文俊氏であり、和田氏と豆野氏の両者が本件を「知り得る立場」にいた可能性があるが、この点についても触れていない。
現在の編集長・星野氏は2025年10月の就任であり、当時の判断に直接関与できなかった点は付記する。
小学館の声明では「弁護士を加えた調査委員会を立ち上げる」としているが、その構成と独立性は曖昧なままだ。調査対象が編集部内部の意思決定過程である以上、内部調査では利益相反が生じる。小学館は2024年の「セクシー田中さん」問題で90ページに及ぶ調査報告書を公表した前例があるが、このときは第三者委員会は設置されなかった。
