ハイエースで車中泊をしながら、日本一周を続けるキンゴツさん(48)とアキさん(45)。かつては、それぞれ日本郵便株式会社と国内大手航空会社に勤め、安定した収入を得ていた。
だが2023年3月末、ふたりはそろって早期退職。同年11月から日本一周を開始し、YouTuberとして生きる道を選んだ。運営するYouTubeチャンネル「わたりどり とんだ」は現在、登録者数7万人超えの人気を誇る。
大企業に勤務していた夫婦は、なぜ安定を手放したのか。決断の背景に迫る。(全3回の1回目/2回目につづく)
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離島転勤希望を出して、奄美諸島で島暮らし
――車中泊での日本一周を始める前は、大分県別府市で暮らしていたそうですね。
キンゴツ 別府市のマンションに、妻と2人で5年間住んでました。その前は、奄美群島の沖永良部島(おきのえらぶじま)で4年間暮らしてましたね。
――離島で暮らしたこともあるんですね。
キンゴツ 大分県佐伯市の郵便局に7年間勤めたあと、沖永良部島の郵便局への離島転勤希望を出したんです。
――なぜ離島勤務を希望されたのですか?
キンゴツ もともと、辺境が好きなタイプで、ずっと憧れてたんですよね。辺境っていうと沖永良部島に失礼ですけど(笑)。24歳のときに半年かけてアジアをバックパックで放浪旅したこともあって。
あと、私自身、佐伯市の離島出身なんです。その島で暮らした記憶はないんですけど、祖父母の家があって、幼い頃によく遊びに行って楽しい思い出があったので、幼いころからずっと、島暮らししてみたいなと思っていたんですよね。
それで、結婚を決めた年に、妻に「一緒に行かないか」と相談して、OKをもらって行きました。
――アキさんは、離島へ行くことに抵抗はなかったですか。
アキ 夫がずっと、島暮らしをしたいと言っているのを聞いていたので。それに2人で新しい生活を始めたかったのもあって、OKしました。
離島の空港職から大分空港のグランドスタッフに
――キンゴツさんは離島勤務も含めて、16年間郵便局で働いたそうですね。
キンゴツ そうですね。実家が水産業をやっていて、それを継ぐ予定で親と一緒に仕事をしてたんですけど、不景気で倒産するような形で商売を畳んだんです。
だから、次は安定した職に就こうと思って、29歳で試験を受けまして。ちょうど郵政が民営化になる年で、募集枠が大きかったのもあって、運よく合格しました。

