「私が寝たと思った両親の会話が聞こえてきました」
――では、順風満帆な学生生活だったのですね。
上田 それが、そうではないんです。クラスメイトからの相談が引き金となって、母を信頼できなくなる出来事が起きてしまって。
中2のとき、母に「クラスメイトからいろんな相談を受けているの」と、何の気なしに報告したんです。その場では何も言われなかったのですが、その晩、私が寝たと思った両親の会話が聞こえてきて。
母は「あの子、あんなにダメな人間なのに、学校ではお姉さんぶって人生相談みたいなことやってるらしい。私、本当に人間としてあの子嫌いだわ」と父に愚痴っていたんです。それに対して父は面倒くさそうに「仕方ないじゃん、そうやって育っちゃったんだから」などと返して、すごすごとタバコを吸いに外へ出ていきました。
それで、私はもう母に本心を打ち明けるのをやめようと思ったんです。
――親に対する見方が変わった。
上田 そうですね、大人全般をあまり信用しなくなったかもしれません。少し時間は経つんですが、高校3年生のときにもそうした考え方は変わっておらず、あからさまに生徒を“上から優しく懐柔する”タイプの担任が嫌で嫌で。大人からナメられることに敏感だったんですかね。「ガキ扱いしてんじゃねぇぞ」と言い放って、クラスメイトと授業をボイコットしたり、教員いじめのような構図を生み出す引き金にもなってしまいました。一応偏差値も55前後ある学校で、大学へ進学する人も多かったのですが……。私は素行が良くなかったことに加えて校則違反などもあって、卒業間近で停学処分を食らいました。
――上田さんは進学されたのですか?
上田 専門学校へ通って、小学校教諭二種免許と幼稚園教諭二種免許を取得しました。ただ、本当は演劇に興味があって、芸能界に入りたいと考えていましたね。
――それでは、高校卒業後は演劇の道に進まれたのでしょうか。
上田 いえ、母が許してくれなかったんです。
