50万円よりも「ドラマの仕事」がほしい

田上 全くないですね。前に「Be-1グランプリ」っていう、賞金がかかったライブがあったでしょ? 藤井くんがMCで、私も審査員のひとりとして呼んでもらって。そこでピン芸人の「紺野ぶるま」ちゃんが優勝して50万円もらってたんですけど、それよりもこの前、ぶるまちゃんが私の見てるドラマに出てて、そっちのほうが断然うらやましかったから。

――いや、50万は大金だから欲しいでしょ(笑)。

田上 「50万円もらえるか、ドラマのその役か」っていう2択だったら、「ドラマの方が絶対にいい」ってことね。まあ、そこまで「もうお笑いに興味がありません」って言い切っちゃうと、お笑いファンを悲しませちゃうかもしれないけど。

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――わはははは!

田上 でも、事実として「お笑い」より「お芝居」への興味が上回ってしまった自分がいるから。だったら芸人を辞めて全力投球で女優業をやろうと思ったんですよ。「芸人」と「女優」の二刀流じゃなくてね。大谷翔平さんみたいに器用にできないですから。

 あとやっぱり、売れてなくても仕事がなくても、好きなことなら「苦」ではないじゃないですか。だから、お笑いより芝居への興味が上回ったいま、お笑いで仕事がないのが本当にキツくなっちゃって。だったらもう、次のステージに行った方がいいなと。「ドリーム第2章」「青春第2幕」に入った私。いまめっちゃ楽しいですよ。また夢が広がったわけですから。まだ見ぬ夢が。

――じゃあ、いまはもうお笑いに未練はない?

田上 ないですねー。すみません!

©文藝春秋

――でも芸人をバリバリやってる時は、ネタをやって成り上がって、テレビのスターになろうと思って頑張ってたわけじゃない。

田上 もちろん!

――そのころを思い出して、「もっとこういう風に動いておけばよかったな」みたいな後悔はない? 技術的なことでも、戦略的なことでも。

田上 何だろうなあ……まあでもその瞬間瞬間、目の前のことに対して精一杯やってたので。後悔はそんなにないですね。だから芸人をスパッと辞められたのかも。

――なるほど。やれるだけのことはやった。

田上 そうそう。私のレベルでですけどね、やれることはやりました。「後はそっちが私を使うかどうかの問題でしたよ」って。

――あっはっは! 特に女性芸人は、数が少ないのもあると思うけど、ある程度の露出があった時に「ポンとランクが上がってテレビのタレントになる人」がいて。でも、「上がれずにまたライブシーンに戻る人」もいるじゃない。その差って大きいような気がしない?