田上 いや、ほんとそうなんですよ。その差がめちゃくちゃ大きい。
――あの違いってなんなんだろう?
田上 何なんだろうね? こっちが知りたいよ!
――わはははは!
田上 そりゃあ知りたいでしょうよ。私はその「上がれなかった人」の筆頭株なんだから。
――いや本当に。タイミングさえ合えば、よしえちゃんはもう2~3段階ランクが上がっててもいい人だったと思うよ。
田上 ひょっとしたら、さっき言った私の「シニカル笑い」が使いづらかったのかな、とも思って。わからないけど。
――確かに。例えば、よくある「食レポ」なんかは、皮肉っぽい斜めの表現より、まっすぐな感想が求められたりするから。特にいまは表現に対して厳しいしね。だからピンでいろんな現場によばれる芸人を見てたら、真っ直ぐな「元気系」「テンション系」が重宝されてる気がする。
田上 それこそいっかい、朝やってる某番組のオーディションに行ったんですよ。「朝のお笑いコーナー」みたいなのがあって。そこでネタをやったら、向こうのスタッフさんが「う~ん、朝のお笑いじゃないんだよなぁ」って。「いや、よばれたから来たんですけど!?」みたいな。
「面白くない人でも売れたりする」
――「よぶ」っていうことは、ある程度ネタの感じも知ってるだろうしね。
田上 だから「運」ですよ。お笑いに関しては、運。だって面白くない人でも売れてたりするし。
――なんてこと言うんだよ(笑)。
田上 地下(※小さなお笑いライブ界隈のこと)にいる我々は「この人、めちゃくちゃ面白いから絶対に売れる!」と思ってても、売れなくて辞めちゃったりとか。そういうの、現場で何人も見てきたでしょ?
――まあ、「誰と出会うか」「誰に見出されるか」っていうのもあるのかな。もちろん、そういう「使う側の人たち」の目につくような「ある程度のランク」までは自分で上がらなければならないけど。よしえちゃんは、そのある程度まで行った人だから。
田上 そうです。「運」に翻弄された女です。
――箸にも棒にもかからなかった芸人が「運がなかった」って言ってるなら「は?」って思うけど、よしえちゃんが言うと重みがあるなあ。