山道を10分…眺めは最高「中の城」

 まずは中の城と山口城を目指す。10分ほどで舗装路の終点。ここから西の尾根道へとそれ、いよいよ山中へと分け入ってゆく。車で上がって来れそうだが、ぐるりと周回するなら、麓からでも同じだろう。

(再掲)現地案内板
四季の展望台裏の尾根道入り口。トイレもある

 道は一本で迷う心配はまったくないが、とにかく登りがキツイ。標高320m、比高250m超は生半可ではない(個人的な感覚だと、比高200m以上は覚悟がいる)。

 登ること10分ばかりでようやく平坦な掘削地が見えてきた。

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中の城の主郭
一段下がったところに帯曲輪

 中の城は、山口城の出丸のような存在。規模も小さく曲輪もふたつだけなので、中の“城”というより(山口城の)中の“丸”ぐらいがちょうどよいかもしれない。

 展望台が設けられており、稲葉山城のある金華山も見える。龍興もここから追い出された自分の城を眺め、くやしがっていたのだろうか。

中の城から南西。高層ビルは岐阜市街。その左の山影が稲葉山城(のはず)
中の城からは北の見晴らしも開けている

井戸跡なのかヌタ場なのか…

 山口城を目指し、北へ。いったん大きく下り、正面に目指すピークを見ながら進み、そしてまた登り……。アップダウンを経て、山口城に至る。

 標高345m。主郭に登ってみると、予想を上回る広さを備えていた。

長尺20m~30mはありそうな主郭

 そしてここもまた、見晴らしがいい。先ほどの中の城とは別アングルの眺望も堪能できる。

 城によって見える範囲が異なれば、複数方向からの敵に備えられる。支城群で守りを固める際の基本といえるが、地形的になかなかそうはいかないこともある。その点、文殊の五城は理想的な配置になっているといえる。

山口城から南西。大垣や関ヶ原方面
こちらは山口城から南東。中の城より標高が高く視野が広がっている。手前の紅葉したピークが中の城

 主郭は切岸(人工的に削った崖)に守られているが、その一角が凹んでいる。主郭の出入り口となる虎口(こぐち)だ。

虎口を切岸下から見上げたところ

 両脇には土塁が築かれ、「く」の字を逆にした形に折れている。あまり見ない独特の形状だが、幅を狭め、方向を曲げて敵の勢いを削ぐ虎口の役割は充分に果たしている。

 虎口から南に少し降りたところに井戸があるはずなので、足を伸ばしてみる。

急斜面を横断する道には砂利も見られる

 木立の中に、確かに井戸らしき跡。水が溜まっているが、猪が泥浴びをする「ヌタ場」のようだ。主郭はあんなに広く、相当数の兵が入れそうなのに、水の手がこれでは籠城にはやや不安。

井戸跡……なのか?

 尾根はそのまま降り勾配になっており、少し先には堀切が切られていた。ここまでが山口城ということで間違いなさそうだ。

大木の向こう側に山口城の南端となる堀切が

 山城巡りでは、遺構はなるべくコンプリートしたほうが満足度が高い。だが、見つけるまで長丁場になることもある(あげくみつからないことも……)。

 今回は、ここまで極めて順調。日没までの五城制覇、今のところ問題なさそうだ。