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かりっと「春菊天」もふわっと「げそ天」もたまらない。小伝馬町「田そば」の独学ぶりに3度驚く

あまりにも美味しくて「冷やしまいたけ天そば」も追加

2018/08/21

genre : ライフ, グルメ

かりっと揚がった「春菊天」、ふっくら揚がった「げそ天」

「春菊天」をひと口食べてみると、油切れがよくかりっと揚がっていて秀逸である。「げそ天」は「一由そば」のようにかために揚がったタイプではなく、ぷりっぷりふっくら揚げられている。通常、天ぷらは「春菊天」の他に「小えびのかき揚げ」、「げそ天」、「まいたけ天」、「ちくわ納豆天」、「紅しょうが天」などが並ぶ。しかも揚げ姿がどれもきれいでよい。

 天ぷらはどこで修業したのか聞くと、これもまた独学だそうだ。坂本さんは当初、天ぷらを上手に揚げることができず、相当難儀したそうだ。人形町にある立ち食いそば屋「福そば」の天ぷらは揚げ姿も美しく相当好きなそうで、何度も食べに行っては揚げ方を試行錯誤していったそうだ。

美しい小えびのかき揚げ天と春菊天
「冷やしまいたけ天そば」(470円)のつゆもうまい

あまりにも旨くて「冷やしまいたけ天そば」を追加

 そばは大手の生麺を使用しているが、茹であげ具合がよい。あまりにも旨かったので、「冷やしまいたけ天そば」(470円)を追加で頼んでしまった。

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 出て来たどんぶりには冷たく〆られたそばに「まいたけ天」とレモン一かけときゅうり、ねぎ、かけつゆよりしっかりした冷たいつゆがかけられていた。

もり、冷やし、かけで出汁の比率を調整

 冷やしのつゆはかけつゆと変えているのか聞いてみると、これまた驚きの回答が返ってきた。もり、冷やし、かけと3種類で出汁の本枯鰹節とそれ以外(本枯鯖節・本枯宗田節)の比率を変えているという。冷やしのつゆは、かけつゆより鰹節の分量が多いという(もりつゆが最も本枯鰹節の分量が多い)。

「一茶庵」の創始者、片倉康雄さんも初めは独学でスタートしたという。「田そば」もスタートは独学だ。

珍しい「当たり機能」がついた券売機

 夏の終わりに、「田そば」のそばを食べることができてよかった。蛇足だが、「田そば」の券売機には「当たりくじ」機能がついている。他店で見たことがない。注文したものが無料になるサービスで、店主に聞くと、月に2回くらいは当たりが出るそうで、先日も、広島からたまたま来た方が当選したそうである。当たりねらいで、今度は「もりそば」(300円)を食べに行こうと思う。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

田そば

東京都中央区日本橋小伝馬町3-7
営業時間 6:00~18:00
定休日 土日祝

 

 

かりっと「春菊天」もふわっと「げそ天」もたまらない。小伝馬町「田そば」の独学ぶりに3度驚く

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