盛夏に熱いカレーもよいが、ヒンヤリした「冷やがけ麺」も捨てがたい。「冷やがけ」は「冷やし」ともいい、きりっとしまった冷たい麺に冷たいつゆがぶっかけられている。「冷やがけ麺」をサクッと食べることができる大衆店を、山手線内回りの神田駅~田端駅まで紹介しよう。(品川駅~東京駅編も公開中)

1. 神田駅。「天亀そば」の「冷やしげそ天そば」

 神田駅といえば、西口商店街、東口改札を出てすぐにある「かめや」が一番有名だが、今回は隠れた古参店、中央通り沿いにある「天亀そば」に注目。「天亀そば」は荻窪や上野に多数あったお店で、創業50年以上という。富士そばより古いと女将さん。神田界隈にも何店かあったそうだ。「天亀そば」は天ぷらが秀逸である。春菊天やげそ天が人気。そこで「冷やしげそ天そば」ができるか聞いてみたところ、「げそ天そば」(440円)の100円増しで作ってくれるという。「冷やしげそ天そば」(540円)の麺は生麺都度茹でである。待つこと3分。かいわれ・わかめ・ねぎ・げそ天が載って登場した。麺はシャキッと冷えていてうまい。げそ天は六文そばや一由そばより揚げ時間は短いのだろう。浅めの色合いで揚がっていて食べやすい。つゆはやや濃い目で十分冷えている。サラリーマンが続々やってくるし、アメリカ人の常連もいるようだ。

神田駅からほど近い中央通りにある古参店「天亀そば」
げそ天も柔らかく、彩もよい「冷やしげそ天そば」540円

2. 秋葉原駅。「あきば」の「冷やがけあきばそば」

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 秋葉原は今や外国人が席巻している街だ。平日の午後2時頃、昭和通り沿いの「あきば」へ行く途中、手前にある「みのがさ」を見たら、アジア系の女性陣が6人カウンターに座ってインスタ用の記念写真を撮影中だった。「鉄腕ダッシュ」でカレーが紹介された影響なのだろうか。立ち食いそば屋も国際的人気になったのか。さて、「あきば」では「冷やがけあきばそば」(560円)がイチオシである。店主の石月さんに挨拶ししばし待つ。出て来たそばはコシもあり、もはや手打ちそば屋の味である。かけつゆも程よい濃さで飲み干してしまうほど。近々、栃木の夏そば粉が入荷するそうだ。

「あきば」のある昭和通りにも外国人がいっぱい
「冷やがけあきばそば」はコシも強く手打ちそば系のうまさ