老舗店の立ち食いコーナーというのがたまにある。京橋明治屋地下のレストラン「モルチェ」に併設されている「スナックモルチェ」は待ち合わせや食前酒的な位置づけ。日本橋たいめいけんにある「らーめんコーナー」は三代目のこだわりとスープの有効利用というわけである。
老舗の「立ち食いそば」支店もまた老舗
老舗のそば屋で立ち食いコーナーがある処といえば、新宿西口改札を出たすぐの新宿メトロ食堂街にある「永坂更科布屋太兵衛新宿地下鉄ビル店」である。この店のシキタリはなかなかユニークだ。
「永坂更科布屋太兵衛」は麻布十番商店街の入り口に威風堂々と総本店を構える老舗中の老舗である。更科粉でつないだ「御前そば」、つなぎに玉子を入れた「卵切りそば」は有名である。
新宿メトロ食堂街ができた昭和41年に「新宿地下鉄ビル店」は開業したそうだ。
店長の青柳寿弘さんに話を聞くと、初め、立ち食いコーナーはなかったそうだ。しかし、当時、新宿は今以上に溢れるばかりの人波・混雑で、時間のないサラリーマンでごった返していた。そこでリクエストに応えるように、開店して10年ほど経った頃に5人がやっと入れる小さな立ち食いコーナーを作ったそうだ。