盛夏に熱いカレーもよいが、ヒンヤリした「冷やがけ麺」も捨てがたい。「冷やがけ」は「冷やし」ともいい、きりっとしまった冷たい麺に冷たいつゆがぶっかけられている。さぬきうどん風に言えばヒヤヒヤ。ざるそばのような辛汁ではなく、やや薄めの冷たいつゆがかけられていることが多い。老舗や手打ちのそば屋ではあまりお目にかかれない。「冷やがけ麺」をサクッと食べることができる大衆店を、山手線内回りの品川駅~東京駅まで紹介しよう。(神田駅~田端駅編も公開中)

1. 品川駅港南口。富士そば“じゃない”「ふじ」の「冷やしかき揚げ天そば」

 品川駅港南口改札を出て、そのまま港南口のエスカレーターを下ったところに立ち食いそば屋「ふじ」はある。かなり古参の店で、夕方5時からはつまみの旨い立ち飲み屋になる二毛作店だ。温かいメニューのほとんどが30円増しで「冷やし」として提供されている。「冷やしかき揚げ天そば」430円は平皿に白醤油系のさっぱりとしたつゆがかかって登場した。茹で麺だが冷たいしゃきっとした麺でのど越しがよい。かき揚げはかたくなく食べやすい。猛暑の中で食べるのも最高だ。

品川駅港南口の階段を下りてすぐの「ふじ」
「冷やしかき揚げ天そば」(430円)は冷たいしゃきっとした麺と白醤油系のつゆがよい

2. 田町駅。「蕎麦一心たすけ」の「冷やし特製たすけそば」

「蕎麦一心たすけ」は田町駅を三田駅方面に高架階段を下りた正面にある。小野製麺の直営店としても有名で、日本橋でも営業している。しなやかな生麺は評判が高い。天ぷらが多彩で紅ショウガ天や春菊天、ナス天もオススメ。しかし、猛暑の中は、店名を冠した「冷やし特製たすけそば」(500円)で暑気払いだ。冷も温も同値段というのはうれしい限り。

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 時計回りにキツネ・わかめ・大根おろし・なめこ・きぬさや・自家製たぬき、中心に温泉玉子という豪華絢爛さ。ワサビ・紅ショウガはお好みで。コシの強い生麺茹で立ての歯ごたえがたまらない。

田町駅から三田駅方面へ高架を下りた正面に「蕎麦一心たすけ」はある
「冷やし特製たすけそば」(500円)は豪華絢爛