2023年WBCはいよいよクライマックスへ。決勝で実現するかもしれない“大谷翔平vs.マイク・トラウト”の夢の対決に、世界中の視線が集まっていた――。

 アメリカのベテラン記者、ジェフ・フレッチャーの著書『SHOーTIME2.0 大谷翔平 世界一への挑戦』(訳=タカ大丸、徳間書店)より一部を抜粋し、メキシコ戦の激闘から歴史的決勝へ向かう、日本代表の戦いを振り返る。(全4回の3回目/4回目に続く

 ©文藝春秋

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メジャーリーガーが勢ぞろいのメキシコ

 WBCの優勝候補が4チームにまで絞られ、われわれの誰もが「あの対決」を目撃できるのかとワクワクし始めていた。

 そう、大谷翔平vs.マイク・トラウトだ。

 日本代表は、準決勝でメキシコ代表と対戦し、エンゼルスのチームメイトであるパトリック・サンドバルが先発登板した。

 一方で、アメリカは準決勝でキューバと対決した。カレンダーを見る限り、大谷が準決勝および決勝で先発登板することはなさそうだったが、救援投手としてなら投げられるのではないかという期待が高まっていた。とはいえ、まずは日本がメキシコに勝たなければならない。

 たしかに、日本は最初の5試合を難なく勝ち進んできたが、メキシコ代表は強力な対戦相手で、メンバーにはメジャーリーガーが勢ぞろいしていた。

 サンドバルは父親がメキシコ出身で、エンゼルスのなかでも、とくに大谷と親しい1人だ。2人のロッカーはエンゼルスタジアムで隣同士でもある。

 サンドバルは、2021年と2022年にメジャーリーグで信頼できる先発投手としての地位を確立した。この2年間の防御率も3.17だった。多くの野球ファンが彼の姿を初めて目に焼きつけたのは、第1ラウンドのアメリカ戦で先発登板したときだった。

 3回を1失点で乗り切り、メキシコは11-5でアメリカを破った。次に先発登板したのがこの準決勝の日本戦で、サンドバルは4回1/3を無失点に抑え、6奪三振を記録した。うち一つは、大谷から奪ったものだった。