9回裏の先頭打者で反撃ののろし
サンドバルはスライダーで大谷を仕留め、マウンドを降りるときには拳を突き上げた。もう一度、サンドバルが大谷と対決した際にはセンターライナーで打ち取っている。個人の対決ではサンドバルに軍配があがったが、最終的に勝利を祝ったのは大谷のほうだった。
日本代表は9回裏の攻撃に入る時点で1点差を追う展開であり、先頭打者の大谷がジョバンニ・ガジェゴスから二塁打を放って反撃ののろしを上げた。
そこで、大谷は日本のダグアウトに向かって両腕を振り上げ、チームメイトの奮起を促した。
「負けたら終わりの試合、プレーオフのような試合を戦うのは、僕にとっては久しぶりでしたからね。負けてはいけなかったんです。だから、ダグアウトの仲間たちを煽りました」
そのあと吉田正尚が四球で出塁し、続く村上宗隆がセンターの頭を越す決勝打を放った。
決勝に投打の両方で出場する可能性
大谷と、吉田の代走である周東佑京の2人がホームに帰還し、日本代表が決勝進出を決めてアメリカと対決する権利を得たことで、喜びを爆発させた。
「もちろん、決勝に進めたことに大きな達成感はありますが、1位と2位では決定的に違うものなんです」
試合後のお祝い気分のなかで、大谷はあらためて気を引き締めていた。
「何が何でも優勝するために、できることはなんでもやります」
つまり、それは決勝で、投打の両方で出場する可能性があるということだ。アリゾナのエンゼルス関係者一同は、この意味を深くかみしめた。
エンゼルス加入後の大谷は、非常に厳密なスケジュール管理のもと、投手として登板していた。必ず最低中5日、ときには6日や7日空けることもあった。
しかし今回、大谷は前回の登板、つまり準々決勝のイタリア戦からまだ4日しか経っておらず、しかも、その間に地球を半周する飛行機移動が含まれていた。普段よりも短い間隔で投げることは、大きな問題ではなかった。大谷のことだから、球数制限をして救援投手として出てくる可能性が高いからだ。
