「ショウヘイの準備に関しては、全面的に信頼している」
ただ、ここで一つ疑問となるのが、大谷本人が救援登板に向けてどのように準備を進めるのかだった。すでに打者として試合出場しているのに、普段の投球前練習をすることができるのか。
人生のなかでもっとも緊迫した場面で、いつもと同じルーティーンができないまま登板したら、今後のケガの引き金になるのではないか。
そして、この登板のあと、エンゼルスの開幕投手として調整を進めていくうえで、次にマウンドに上がれるのはいつになるのか。
エンゼルスのネビン監督とペリー・ミナシアンGMは、決勝戦の日に、アリゾナで前述のような報道陣からの難題に直面することになった。
しかし、2人ともこのシナリオに対する準備は進めており、大谷が希望するなら決勝戦で救援登板してもかまわないと口をそろえた。ネビン監督はこう語った。
「ショウヘイの準備に関しては、全面的に信頼しているから。今日は野球界全体にとって大きなインパクトのある夜だからね。私も試合を見るのが待ちきれないよ」
ミナシアンもまた、大谷がスポットライトを浴びるべき日に自分が干渉すべきではない、ファンが望んでいることを台なしにしてはいけないという姿勢を貫いた。
「私はベースボールというゲームを何より愛しているんだ」
「こんな場面を見たくない人がいるかい?」
ミナシアンはこう切り出した。
「全世界のどんなゲームよりも、ベースボールというゲームを愛しているんだ。だから、もっとこのゲームが世界全体で広まっていってほしい。その意味で、この大会が果たしている役目は本当に大きい。試合も素晴らしいものが続いている。選手たちも躍動している。この熱気、ファン、情熱、注目。
少なくとも私にとっては、もし彼が投げたい、マウンドに上がりたいというのであれば、それは全世界に向けて、このゲームの素晴らしさを発信する絶好の機会だと思っているよ」
そして、2番目に大きな要素がそこにあった。たんに大谷が祖国に優勝をもたらすために大舞台で登板するというだけではない。彼が登板すれば、トラウトと対戦する可能性も出てくるのだ。ネビン監督はこう話した。
「世界最高の2人の選手が頂上対決する、こんな場面を見たくない人がいるかい? これから1年間、ずっとこの話題で持ちきりになると思うよ」
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