「娘が帰らない」

 母親の通報から始まった捜索は、やがて最悪の結末に行き着く。ラブホテルの一室で見つかったのは、首を絞められて殺された17歳少女の遺体だった。

 容疑者として浮上したのは、借金総額500万円の30歳男。13歳も年の離れた2人の間に、いったい何が起きたのか。令和6年の事件の発端を追う。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む

ADVERTISEMENT

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

「確認してほしいご遺体があります」

 何度コールしても誰も出ないラブホテルの客室。従業員がマスターキーで入ったところ、首を絞められて殺されている女性の遺体が見つかった。

 通報を受けて警察が捜査に乗り出し、遺体の身元を確認しているとき、フリーターのA子さん(当時17)の母親から「娘が帰らない」と捜索願が出された。そこで管轄署の刑事が駆け付けた。

「確認してほしいご遺体があります」

「どういうことですか。私は捜索願を出しただけ。うちの子じゃない……」

「それも含めて、写真で確認してほしいんです」

 A子さんの母親と弟は管轄署に連れて行かれ、話を聞いたA子さんの祖父母もやって来た。

「アンタは母親なんや。辛くても、アンタが確認してやらなあかん」

 A子さんの母親は写真で確認。色白だったA子さんが紫色の顔になり、ブツブツができていた。2日後に霊安室で変わり果てたA子さんと対面し、泣き崩れて卒倒してしまった。

 A子さんはモデル並みの美少女だった。だが、中学で人間関係がうまくいかず、単位制の高校へ進学した。

 そこでも友人ができず、高1で中退。居酒屋やうどん屋でアルバイトしていた。

 事件に巻き込まれたのは、ちょうど新しい仕事を探している過渡期だった。

 母親によると、事件当日の経緯はこうだ。