寂しさを感じない男たち
離婚して2年が経った今、独身生活に寂しさを感じることはないのだろうか。
「離婚して今2年になりますけど、本当に楽ちんです。楽で楽でしょうがない。結婚していた時は、妻だけでなく、自分も色々なことを我慢していたのかもしれない、と感じています。
僕、『寂しい』という概念がないんですよね。その概念だけが、子どもの頃から明らかに欠落しているんです。寂しさよりも、価値観や文化の異なる他人と一緒に過ごすことの煩わしさの方が大きい。世間的には、独身だから寂しいと思われがちですが、それほど単純な話ではないと思います。
独身男性は早死にするというデータがあり、あたかも社会問題であるかのように報じられていますが、当事者からすれば、『いや、別にそんな長生きする気もないし』となるのではないでしょうか」
世間の認識と、渦中にいる当事者の認識との間に大きなズレがあるのは、あらゆる社会問題に共通することである。孤独をめぐる問題については、そもそも当事者が自分が孤独であることを問題視していないケースが少なくない、ということは確実に言えるだろう。
「本人たちにとっては、孤独であることは別に問題じゃないんですもん。孤独死が社会問題になるのはわかりますが、実際に本人たちが最後の瞬間、何を思っているかは分からない。
当の本人たちにしてみれば、孤独であることに対する恐怖や危機感って、それほど抱えていないんじゃないですかね。仮にそうした感情があったとしても、孤独を乗り越えるために誰かと共同生活をしなくちゃいけない、みたいなことを言われたら、『あっ、だったら孤独で全然大丈夫です』と答える人の方が多いのではないでしょうか」
孤独と童貞
男性の孤独と切り離せない問題が、性の問題である。関川さんは、孤独な男性にとってのセックスは、結婚と同様、「したいけれど、困難を乗り越えてまでやりたいとは思わない」ものだと考えている。
「色々な統計データを見ると、30歳の時点で童貞である男性は、全体の約3割だそうです。
30歳の時に童貞だった人は、多分40歳になっても50歳になっても童貞でしょう。こうしたアンケート調査にすら見栄を張る人がいるので、僕としては、体感的に世の中の男性の3割5分ぐらいは童貞だと思っています。
そうした男性たちは、セックスしたいという欲求はあるかもしれないけれど、そのために女性を口説いて断られたり、うまくできなくて惨めな思いをしたりするぐらいだったら、そこまでしてやりたくない、と考えているのではないでしょうか。確かに孤独だけれども、そうした困難を乗り越えてまで解消したいとは思わない、という程度の孤独なのだと思います。他人と関わる煩わしさを乗り越えてまで、孤独から脱出したくない、という人は多いはずです。