WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)1次ラウンドを全勝で勝ち上がった侍ジャパンの決勝ラウンドでの戦いが、いよいよ始まる。東京ヤクルトスワローズの伊藤智仁ピッチングコーチは、ここまでの戦いをどのように見ているのか?

 旧知の仲であるライターの長谷川晶一氏が伊藤コーチの心中に迫る。

侍JAPANを率いる井端弘和監督 ©文藝春秋

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栗山監督は本調子ではない村上を代えなかったが…

「初戦のチャイニーズ・タイペイ戦こそ7回コールドで危なげのない戦いだったけど、韓国戦では初回に3点を奪われたり、オーストラリア戦では吉田正尚の一発が出るまでは終盤までビハインドが続いていたり、1次ラウンドについては、“接戦を制したいい戦いが続いていたな”と思いました。気になるのは近藤(健介)、村上(宗隆)が本来の調子ではないことですね」

本塁打を放った鈴木誠也を迎え入れる近藤健介(中央) ©文藝春秋

 スワローズ時代、ともにペナントレースを戦い抜いた村上について尋ねると、「うーん……」とうなった後、ゆっくりと口を開いた。

「僕はこれまで、彼のいいときも、悪いときも見てきていますけど、使っていれば打つのは間違いない。慣れれば打つのは間違いないです。ただ、それがWBCの期間中に間に合うのか、終わってからになるのか、その辺りは僕にはわからない。それを井端(弘和)監督がどう判断するのか? 近藤もそうだけど、短期決戦では“調子が戻るまで待とう”とは言っていられないですから。

復調の兆しを見せるも、絶好調とは言い難い村上宗隆 ©文藝春秋

 前回大会の栗山(英樹)監督は本調子ではない村上を代えなかった。今回の井端監督はどう判断するのか? その点は注目したいですね」

 伊藤コーチの言葉にあるように、前回大会において栗山監督は、4番から5番への降格はあったものの、それでも村上を代えずにスタメン起用を続けた結果、準決勝でサヨナラ打、決勝では同点ホームランを放つ活躍を見せた。はたして、今回はどうなるのか? 井端采配に注目したい。

 一方の投手陣についてはどう見ているのか?