「縦変化」の有効性を証明した菅野智之のピッチング
「種市のフォーク、隅田のチェンジアップは初見ではまず打てないと思います。種市のボールは落ちるための理想的なスピンをしています。フォークというのは、専門的な話になるけど、基本的にはサイドスピンかジャイロスピンのどちらかなんです。種市の横回転は落差の大きいサイドスピン。隅田のチェンジアップも理想的なサイドスピン。このボールはWBCではすごく有効ですよ」
国際大会における「縦変化」の有効性。それを証明したのが、オーストラリア戦で先発した菅野智之のピッチングだと、伊藤コーチは指摘する。
「菅野のピッチングを振り返るとよくわかると思うけど、試合途中からガラッと配球が変わりました。初回は横変化にことごとく対応されていました。菅野と言えばスライダーが持ち味ですけど、オーストラリア打線には対応されていました。そこで、試合途中からはフォーク三昧。縦変化中心の配球に変わりました。菅野の場合は、それほど鋭いフォークを投げるわけではないし、ストレートの球速がそこまで速いわけではないけれど、それでもフォークを中心にして何とかしのぎきりました」
さらに伊藤コーチは、ストレートとフォークの相関関係について言及する。
「ストレートに力があればあるほど、フォークの効果は大きくなります。どこまでストレートに偽装することができるか? ストレートに偽装できないフォークは、打者からすればそれほど怖くない。やっぱり、ストレートが速ければ速いほど、フォークは有効なんです。それが、今大会メンバーで言えば種市であり、髙橋(宏斗)だと思います」

