「山本由伸がエースであるのは確かですよね。日本にいたときと比べて球種構成が変化したという印象はないです。ストレートを中心にして、変化球はカーブとフォークを軸に組み立てている。どのボールも精度が高い。完成度は群を抜いています。彼のカーブ、フォークはアメリカにマッチしていると思いますね」
2019年から20年シーズンにかけて、伊藤コーチは東北楽天ゴールデンイーグルスの投手コーチを務めていた。そして、「20年開幕シリーズの印象が忘れられない」と振り返る。
「20年の開幕3戦目に登板したのが山本でした。あのときは衝撃でした。手も足も出ない。“こりゃ、当たらんぞ”と思いながら見ていました。特に印象に残っているのは、試合前の練習では意外と小さく見えたのに、マウンドではとても大きく見えたこと。あのときのインパクトは本当に大きかった」
種市、隅田の「縦変化」がWBCでは有効
すでに、「準々決勝の先発は山本」と報じられているものの、伊藤コーチの見立てでは、「準決勝は山本に託したい」と語る。では、ベネズエラと対戦する準々決勝はどうするのか? 質問を投げかけると、彼は意外な投手の名前を挙げた。
「もしも僕がローテーションを決めることができるのなら、種市(篤暉)を準々決勝の先発にしたい。ここまでは中継ぎとして起用しているけど、あの位置で使うのがもったいないほどのピッチングをしていますよね。そして、西武の隅田(知一郎)もいいですね。理想を言えば種市で5イニング、隅田で4イニング(笑)。それが無理でも、種市、隅田のリレーで、その後は第2先発陣でつないでいく展開が理想。種市と隅田に共通しているのは縦変化のいいボールを持っていることですね」
種市のフォークボール。そして、隅田のチェンジアップが、ここまでの戦いにおいても、相手チームに大きな脅威を与えている。そして、この「縦変化」こそ、国際大会において、実に有効に作用するという。

