結婚後、夫の前でウィッグを外すまでに1年

――25歳のときに結婚されて、現在は10歳年上のパートナーと暮らしているそうですが、カミングアウトされたのはいつだったのですか?

あみ 付き合うことになったとき、「実はね……」って電話で言いました。でも、最初はなかなか言い出せなくて、吐き出すまですごく時間がかかってしまって。

 夜10時頃から朝5時頃まで電話をして、泣きながら「実は髪が薄くてウィッグをかぶってるんだよね」と伝えました。

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――パートナーの方は、何と?

あみ 「あ、そうなんだ」みたいな感じで。「過去にいろいろあったかもしれないけど、これからの未来を作っていくのは自分自身だから、関係ないよ。大丈夫だよ」って前向きな言葉をかけてくれました。

――今のパートナーとの結婚生活でも、最初はウィッグをつけて寝ていたとか。

あみ 付き合っているときもつけていたし、結婚して1年間は、家の中でもずっとつけていました。

――しんどくなかったですか。

あみ めっちゃしんどかったです。ずれたらどうしようって心配で、肩が凝るくらいガチガチになって寝てたので、寝た気がしないんです。しかも頭が痒いし。

 あるとき、夜中にパッと目覚めて、ずれているのに気がついて。やばいと思ってトイレに走って直しに行ったこともあります。

――パートナーは気づかなかった?

あみ いや、見ていたらしいです。でも、「これを指摘したら傷つくだろうな」と思って、反対側を向いて寝てくれていたみたいで。

――家の中でウィッグを外せるようになったのは、いつ頃からだったのですか。

あみ 結婚して1年が経った頃ですね。美容師さんから「家では外したほうが、リラックスできるし、ウィッグも傷みにくいよ」とアドバイスをいただいたんです。

 寝ている間の摩擦で、高価な人毛のウィッグもすぐに劣化してしまうと聞いて。経済的にも、精神的にも、もう限界だな、と感じて、勇気を出して言うことにしました。

 

――どのように伝えたのですか?

あみ 最初に家でウィッグを外すとき、水泳帽のような小さな帽子をかぶって夫の前に現れました。「ウィッグが傷むから、これをかぶって寝るね」と。

 そうしたら、彼が「え、石ころ帽子やん! 可愛い!」と言ってくれたんです。それがすごく嬉しくて。結婚して良かった、と心から思いました。