そこから1、2週間は素の頭を見せられず、その帽子をかぶって隠していたんです。でも、それも鬱陶しくなってきたので、ある日、思い切って取りました。
――パートナーの方は、ありのままの姿を見て、何かおっしゃっていましたか。
あみ いや、特に何も(笑)。もともと、私が酔っ払ってウィッグをつけずに寝ている姿を見ていたみたいなので、彼としては今更感があったんだと思います。
彼と出会えて変わることができた「人と違っていいじゃん」
――ありのままの姿を見せられるようになってから、生活や関係に変化はありましたか。
あみ 夫とはより深い関係になって、本当の「家族」になれた気がします。
生活も、すごく楽になりました。それまでは、ウィッグを外した状態で鏡を見るのが本当に嫌で、薄目で見ていたんです。でも、ありのままの姿で過ごすようになってからは、夫が「可愛い」「ない方がいいんじゃない」と言ってくれるんです。
私が鏡を見るのを嫌がっていたら、わざわざ鏡の前に連れて行って、私がちゃんと目を開けるまで「めっちゃ可愛いじゃん、ほら見て」って言い続けてくれるんですよ。
――素敵なパートナーですね。
あみ そうやって言われ続けるうちに、私もだんだんと「確かに、可愛いかもしれない」と思えるようになってきました。夫も、私がウィッグを外してリラックスしている姿を見ると、ホッとする、と言ってくれます。
――ご自身の容姿を受け入れられるようになったのは、パートナーの存在が大きいですか。
あみ そうですね。彼と出会ったことで、完全に変わりましたね。それまでは「なんで自分だけ」って人と比べて落ち込んだりしていましたけど、今は「人と違っていいじゃん」「この良さは私にしかないじゃん」と思えるようになりました。
あと、見るのすら嫌だった昔の写真も、今は見られるようになったんです。
――ウィッグとの向き合い方も変わりましたか。
あみ 前までは、バレないように自然さを追求していたんです。普通の人の髪と同じような色や生え際を意識していました。あと、不自然に見えないよう、ウィッグを頻繁に変えないようにもしていたんです。
でも今は、コロコロ髪型を変えるのも、ウィッグの楽しみ方としてすごくいいんじゃないか、と思えるようになりましたね。
撮影=深野未季/文藝春秋
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