一方で、LINEでのやり取りは別の印象を残す。
2024年10月、行仕さんは被告にメッセージを送っていた。「一つ聞いていい?私って今の彼女?」
これに被告は「うん」と返信している。行仕さんは続ける。「ちゃんと彼女と思ってくれてたんだね」
被告は「由佳ちゃんに沼ってしまっている」と返していた。
検察は、このやり取りを示しながら、2人の関係が親密なものだったと指摘した。

総額100万円以上の借金と、すれ違い始めた関係

殺害された行仕由佳さん(行仕さんの友人提供)

しかし、その関係の裏には金銭の問題もあった。2024年10月、被告は行仕さんからまとまった金を借りた。最初に借りた額は86万円だった。

理由は「交通事故でお金が必要」と説明していたが、裁判で被告はこの説明は事実ではなく、特殊詐欺の被害に遭い金が必要だったと説明した。
その後も追加の借り入れがあり、検察側は被告が行仕さんから借りていた金額は総額で100万円以上になっていたと指摘した。

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返済は進まなかった。LINEには、「来週、お金返せるんだよね?」という行仕さんからのメッセージも残されていた。

被告は法廷で「返して関係を切ろうと思っていました」と述べたが、裁判では行仕さんが「お金を返さなくていいから正式に付き合ってほしい」と伝えていたことも明らかになった。
同じ出来事でも、2人の思いは少しずつずれていく。

「赤ちゃんどうするのよ」妊娠をきっかけに立ち込める暗雲

 

2025年3月。行仕さんのスマートフォンから、被告のもとにメッセージが送られる。
「本当に妊娠したかも」
その後行仕さんからは「赤ちゃんどうするのよ」「2人で相談したい」と、妊娠に関するメッセージが続く。
行仕さんは出産を望んでいた。しかし被告は、妊娠そのものに疑問を抱いたと語っている。

検察官「子どもについてどう思いましたか」
被告「自分の子どもではないかもしれないと思いました。自分の子どもだとしても、おろしてほしい気持ちでした」