《19日 ディナーレセプション》
出席者たちの装いを見るかぎり、ドレスコードは「ビジネスアタイア」という比較的カジュアルな設定だったようだ。
高市首相もそれに即したスーツスタイルで、色はダークグレーで落ち着いた印象を与えるものだった。
スタイルはピークドラペルの3ピース。襟先の鋭いラインが構築的な強さを示しつつ、会場となったState Dining Roomの重厚な空間や演説台のゴールドの意匠とも調和していた。胸元のVラインは本来なら視線を引き寄せる要素だが、抑制された色味と質感のおかげで上品にまとまっていたと言える。
とりわけ注目すべきは、ダークグレーという色彩の選択だろう。戦時下という国際情勢を踏まえ、華やかさを抑えた中間色に留めたのは、日本国内への配慮に加えて、言葉としては明示されないアラブ諸国への「私はあなたたちの敵ではない」というメッセージとしても機能している。
大きすぎ・目立ちすぎの白のバッグが大統領との間でノイズに
一方で、惜しまれるのがバッグの選択である。レザーを編み込んだイントレチャートの白バッグはディナーの場としてはやや大きく、持ち手も長く見えた。
とりわけトランプ氏のスピーチ時には左腕に掛けられ、両者のあいだに位置したことで、視覚的に“間”を遮る印象を与えていた。視線をひきつける色と形状が見る側に余計な想像を促す要素ともなってしまっていた。
高市総理がスピーチ中に身体が揺れ視線が定まらなかったことについて、SNS上ではとりわけ女性からの批判が見られた。
しかしディナーレセプションで緊張を緩ませ、感情の交流が前面に出ること自体は必ずしも否定されるものではない。何よりその時のトランプ氏は満面の笑みを見せていたので、目的に対して効果があったことは確かだ。
楽団がX JAPANの楽曲を演奏した時に高市総理が喜んでいる様子はホワイトハウスの公式サイトに掲載され、国内ではこれに対しても賛否が分かれた。
ただ会談のために相手国やトップの嗜好を調べてパフォーマンスするのはアメリカにとっては好意の演出であり、その返礼として大げさに喜んで見せた高市総理の振舞いも良好な関係をアピールする効果はあったと言えるだろう。
服装:9
立ち位置・姿勢:8
表情・視線:8
整合性:7
成果:9
総合:41点/50点
一言:トランプ大統領の笑顔を引き出すなどディナーの目的である関係構築には成功していたが、バッグはノイズになりうるリスク要因だった。
