「うどんよりも蕎麦」吸収の遅い糖質を選ぶ

 栄養面で松井氏がまず指摘するのは、糖質の「質」である。疲れたときに甘いものやエナジードリンクに手が伸びるのは自然な反応だが、吸収の早い糖質は血糖値スパイクを引き起こし、その後すぐに血糖値が下がる。すると空腹感が頭をよぎり、集中が途切れてしまう。

「吸収の遅い糖質を摂った方が、同じカロリーでもいわゆる腹持ちが良く、空腹感が生じにくいため、集中を持続しやすくなるという意味で脳疲労を予防できるのです」

左から松井氏、MCの近藤さや香氏

 食品で言えば、うどんより蕎麦、ラーメンよりパスタ、白米より玄米を選ぶことが一つの目安となる。

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朝のタンパク質が「その日の午前中」を変える

 松井氏がとりわけ強調したのが、朝食でのタンパク質摂取だ。筋肉づくりのイメージが強いタンパク質だが、消化吸収されるとアミノ酸となり、脳内でドーパミンやノルアドレナリンの原料になる。

「脳の疲労に関しては、朝しっかりタンパク質を摂っておくと、その日の午前中に疲労しにくくなります」

 

 筋肉への効果を実感するには数カ月かかるが、脳疲労に対しては即日で効果を感じやすいと松井氏は言う。さらにタンパク質を糖質と一緒に摂ると糖質の吸収が緩やかになるため、血糖値スパイクの抑制という二重の効果も期待できる。

 エネルギーだけでなく、脳を円滑に動かす「潤滑油」としてのタンパク質――その意識が、日々の脳疲労対策の第一歩になる。

次の記事に続く 「横になってスマホ」は休養にならない…筑波大・松井崇准教授が語る、“脳疲労”を防ぐ「アクティブレスト」と「絆ホルモン」の秘密