脳が疲れたら横になって休む。一見正しそうなこの行動が、実は脳疲労の回復を遠ざけている可能性がある。筑波大学体育系准教授の松井崇氏が、文藝春秋PLUSの番組「HEALTH CARE PLUS」で語った脳疲労を防ぐ4つの習慣のうち、「休養」と「絆」についてまとめた。(全2回の2回目/はじめから読む)
(初出「文藝春秋PLUS」2026年3月8日配信)
脳の休養は「動くこと」だった
現代人にとっての「休憩」は、横になってスマホを眺めることかもしれない。だが松井氏はこれを明確に否定する。
「ああいう休み方は、結局休息になっていないということです」
脳疲労の多くは電子機器を使った頭脳活動の中で蓄積される。そのとき脳は、筋トレで疲弊した腕のような状態にある。腕が疲れたら足を動かして全身の血流を回すように、脳が疲れたときは体を動かすほうが回復を促せるというのが松井氏の考えだ。
こうした短い運動を休憩代わりに挟む方法は「エクササイズスナック」あるいは「アクティブレスト」と呼ばれる。おやつを口にするように、ちょっとした運動を合間に入れるという発想である。
1日10時間以上プレイするゲーマーの睡眠の質
松井氏はさらに、休養と睡眠の関係にも言及した。1日10時間以上プレイするプロゲーマーは、明らかに睡眠の質が悪いという研究がある。運動不足と画面の見すぎが相乗効果で睡眠を悪化させていると考えられる。
「そうした環境の中でも、パフォーマンスを発揮するためにアクティブレストとして運動をこまめに取り入れることで、実はパフォーマンスが向上し、夜の睡眠の質も改善されるのです」
体を適度に動かすことで脳疲労が回復し、夜の睡眠が改善され、健康状態も底上げされる。この循環を生むのがアクティブレストの本質だと松井氏は説明する。
