スマートフォンやデスクワークで酷使される脳は、アスリートの筋肉と同じように疲弊している。だが厄介なことに、その疲労には自覚症状がほとんどない。筑波大学体育系准教授の松井崇氏が、文藝春秋PLUSの番組「HEALTH CARE PLUS」で、脳疲労を防ぐ4つの習慣のうち「運動」と「栄養」について語った。(全2回の1回目/続きを読む)
(初出「文藝春秋PLUS」2026年3月8日配信)
「6分の散歩」で脳のパフォーマンスが変わる
松井氏によれば、世界的に推奨されている運動は「軽く息が上がる有酸素運動を30分から60分、週3~5日」だが、多忙な現代人には現実的でないことも多い。そこで松井氏が提案するのは、仕事の合間に取り入れる短時間の運動だ。
「まず一番に勧めたいのは、6分間ほど会社や学校の周りを散歩することです」
1時間半から2時間eスポーツをした後に、横になって休んだ場合と6分間散歩した場合を比較した研究では、散歩した方がその後の脳のパフォーマンスが明らかに向上していたという。
「7秒のもも上げ×3セット」が効く理由
6分すら確保できない場合はどうすればよいのか。松井氏は「1分エクササイズ」を勧める。
「もも上げは7秒で十分です。その後20秒休憩し、これを3回繰り返すだけです」
7秒のもも上げを3回、間に20秒の休憩を挟んで合計約61秒。職場でもも上げが恥ずかしければ、階段をテキパキ上り下りするだけでも同等の効果があるという。eスポーツの実験では、この1分エクササイズの後に相手を倒す数が増え、倒される数が減るという明確な成果が確認された。
