トランプ米大統領が9年ぶりに中国を訪問し、習近平国家主席と会談する。会談では、台湾問題も協議される見込みだ。
中国は、どこに向かおうとしているのか。第1次トランプ政権の国家安全保障担当の大統領副補佐官だったマット・ポッティンジャー氏は、習国家主席が中国軍を自らの絶対的な個人支配下に置こうと進めてきた長年の取り組みについて「いま重大な局面を迎えている」と語る。(近藤奈香訳)
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習近平の“最も大胆な一手”
2026年1月、中華人民共和国国防部は、中国で最高位の将軍である張又侠が、数々の政治的違反行為の疑いで調査対象となったことを公表しました。これまでに人民解放軍の最高幹部の4分の3以上に影響を及ぼしている今回の習主席による粛清の中でも“最も大胆な一手”といえます。
中国の政治体制の不透明さは、派閥抗争や、張上将が李尚福の閣僚就任を後押しした見返りに賄賂を受け取ったり、核機密をアメリカに漏らして賄賂を受けたといった報道や憶測を助長しています。
2月9日には、権威ある『解放軍報(PLA Daily)』紙の論評で、張国燾が引き合いに出されました。張国燾は「長征」〔毛沢東率いる紅軍が、蒋介石の国民党軍の追跡を逃れて退却を重ねた1934〜36年の行軍のこと〕の最中に党中央に反抗し、最終的に国民党へと投降して香港に亡命したため、人民解放軍史上「究極の悪党」とされ、毛沢東が革命を遂行するために打ち破らなければならなかった人物です。
