「ウルトラマンの故郷は沖縄だった?」――そんな大胆な説の裏には、怪獣の名前や設定に刻まれた“あるルーツ”があった。特撮史の裏側に潜む意外な事実を、特撮事情に詳しいライターの桜井顔一氏の新刊『日本特撮 人気作品の裏設定』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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ウルトラ怪獣の由来
膨大な数の怪獣たちの名前の由来は至るメディアで語られ、その項目だけで事典が1冊出来上がるほどの量といわれている。
ここでは主に初期の『ウルトラ』シリーズに登場する怪獣の名前の由来とデザインの元ネタを深堀していく。
『ウルトラマン』というタイトルが決定するまでには『WoO』『科学特捜隊ベムラー』『科学特捜隊レッドマン』と様々な企画が熟考、改定され新企画として変化し、最終的に『ウルトラマン』に落ち着いた。
ベムラーのデザインは架空の生き物カラス天狗に例えられることが多いが、一部のマニアからはガッパに似ているという声もある。
しかし製作順ではベムラーの方が先(65年)なのでガッパがベムラーに似ているのだろう。ベムラーをデザインしたのは東宝で美術監督として活躍した渡辺明で、ゴジラやキングギドラの最終デザインを手がけた人物だ。66年東宝退社後の翌年に日活で製作された『大巨獣ガッパ』の特撮にも協力しているため、ガッパがベムラーに似ていること自体ごく自然な成り行きなのである。
彫刻家でもある成田亨の描いたレッドマンの初期デザインはおよそヒーローとは言いがたく、むしろ敵の宇宙人のような不気味な造形で若干ウルトラセブンに近い外見だ。
レッドマンはその後、短編番組『レッドマン』(72年4月24日~10月3日)として命を吹き込まれ、デザインも一新しウルトラマンに似た造形である。デザインは成田亨ではないが、円谷プロにはレッドマンの最終決定画はあるものの、現在まで作者がはっきりしていない。
