(3)カウンセリングに入りやすくする配慮を

 夏場や冬場のカウンセリングでは、空調を整えてカウンセリング室を適温にしておくことが大切です。暑すぎても寒すぎても、人は「こころの中」にアクセスする力が減ります。速やかに「こころにアクセスしやすい状況」を作るよう心がけましょう。このような準備が、子どもに「見えないところでもスクールカウンセラーは自分のことを考えていた」という支えとして機能することもあります。これは面接室を清潔に保つことでも伝わるので、スクールカウンセラーは空き時間に掃除をしておくと良いです。

 また、初めてカウンセリングを受ける子どもにとって、スクールカウンセラーと会うということは「馴染みのない人(スクールカウンセラー)に会うために、未知の部屋(カウンセリング室)に入る」という状況です。これは不安を感じても不思議ではありません。子どもが不安を感じていると、その不安をほぐすのに多少の時間を使う必要が出てきます。時間が限られているスクールカウンセリングにおいて、これは少しもったいない話です。なので、子どもと初めて会う場合には、スクールカウンセラーは室内で待つのではなく、部屋から顔を出して迎え入れるなどの小さな工夫で回避できる不安はきっちり避け、スムーズにカウンセリングに入れるよう配慮しましょう。

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「今のままでいいよ」という声がけが子どもを苦しめる

(4)未来を見据えて成長を促す

 よく「今のままでいいよ」という言葉を耳にします。優しくて耳あたりが良い言葉ではありますが、「今のまま」でいることによって現実との折り合いが悪くなり、結局は子ども自身が苦しむ場合もあります。ひとつ事例を紹介しましょう。

【事例:体育に出ない女子生徒】

 高校一年生の女子生徒。小学校高学年から不登校傾向があり、「体育に出なくていいなら学校へ行く」と言うので親も教員も認めてきた。全日制高校に入学し、登校は何とか継続しているが、体育には一切出ないというスタンスを保持している。高校側も事情を考慮し、体育は見学だけでも出席にしていたが、見学も拒否している状況である。