昔、よく知っているお医者さんに会ったとき「古舘さん、何だか顔色が悪いですね。いま飲んでいるお薬を、全部持ってきてください」と言われました。

 私は友人の医者の目の前に、飲んでいた48種類のサプリメントの錠剤・粉薬を、ドサッと置きました。

 医者は怖い声で「気でも触れたの?」と、言いました。

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 本当に、どうかしていたと思います。

 医者にも言われました。

 ひとつひとつのサプリメントは身体にいいけれど、たくさん合わせて飲むことで、いろんな副作用が生じる可能性は拭えない。

 有効成分が体内でバッティングして、深刻な健康被害を引き起こすこともあります。

 サプリメントをいっぱい飲むのは、身体にとっては病気を招くリスク行為にもなるんですよ。

写真はイメージ ©︎hanasaki/イメージマート

「いい意味で中途半端」を心がける

 現在の私は仏教の勉強とお医者さんによって、心持ちが養われました。

 薬の量は、大幅に減りました。

 でも、まったく飲まないわけではありません。

 仏教を頼りにしようと、老化を疎ましく思う気持ちは、ゼロにはならないのです!

 それが悟れない人間というものの実相でもあります。

 いい意味で中途半端、セコい自分を心がけています。

 セコく筋トレして、セコく薬を飲んで、セコく老化に抵抗しています。

 そういった小出しの欲望のお陰で、私は未熟のままでいるのです。オオサンショウウオという大人になりきれないまま、遺伝子の変異で子どもっぽいままで大人になった、ウーパールーパーです。私は口角が下がったウーパールーパーです。気持ち悪い!

 私の若さは、挽き割り納豆の粘つく糸のような、細かく途切れないセコさで、保たれていると言えます。

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