警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。
ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋。組織内で使われている「闇アプリ」について紹介する。(全5回の1回目/2回目に続く)
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「勝手にバックレると、アプリ内に顔写真や本名がさらされる」
普段メンバー同士は、アプリ内でも偽名を使ってやり取りしているが、組織に入る際に自分の本名や住所を免許証などと一緒に届け出ることが義務付けられている。このため勝手に逃げ出すことはできず、もし少しでも連絡が取れなくなると、上司や本社の担当者が家に押しかけて来て「詰められる」ことになるのだという。
「何かやらかして遠くの地方にまで逃げ出した人もいましたが、結局はボコボコにされて連れ戻されていました。組織内でも指名手配みたいなシステムがあって、規則を守らずに勝手にバックレる(逃げる)と、アプリ内に顔写真や本名がさらされることになります」(現役メンバー)
たしかに、我々が入手したアプリの内部データの中にも、「指名手配」なる掲示板のようなものがあり、規則違反をして所在不明になっているとして、複数の人物の顔写真や本籍などの個人情報が掲載されていた。
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いったん組織に入ると自分の都合だけでやめることは難しいし、勝手に逃げ出すとこのように個人情報をさらされることもある。佐伯もそうだったが、最初は軽いアルバイトの感覚で組織に入ったものの、しばらくすると色々なしがらみで組織に取り込まれ、がんじがらめにされていく。ニュースでスカウトの摘発などを知り、違法な行為であることが怖くなってやめようとするメンバーもいるが、すぐには上の許しが出ないという。
