警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。

 ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋。「ナチュラル」が手がける“新たなビジネス”について紹介する。(全5回の5回目/1回目から読む

写真はイメージ ©SunnySide/イメージマート

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自由診療の現場では外部の紹介に抵抗がないところが多い

 客の奪い合いで競争が激化している美容業界。

 厚生労働省によると、保険医療機関や保険医が患者の紹介を受けるために対価を支払うことは禁止されているが、自由診療だけを行うクリニックの場合は、第三者に紹介料を支払うことは明確には禁じられていない。つまり、美容クリニックにスカウトが客を送りこんでも、倫理的にはともかく、現時点で何ら違法性はない。

 もともと、自由診療の現場では、クリニックを訪れた客に対してのカウンセリングに力を入れていて、様々な追加のメニューやオプションを勧める。そして、客から得た高額な売り上げによって、インセンティブが上乗せされた給与が支払われるということも珍しくない。

 そのため、外部から紹介されることについても抵抗がないところが多い。

 風俗店やキャバクラなどに勤務し、整形や肌の手入れなどで美容クリニックを利用することが多い女性と繫がっているのがスカウトだ。そのスカウトを活用しない手はないというわけである。

「コンサルが間に入って、クリニックとスカウトグループを繫ぐこともありますし、クリニック側にスカウトグループが営業をかける場合もあります。美容整形の場合、治療にかかる費用が高い施術だと100万円から数百万円と高額になり、その分スカウト側へのバックも大きくなるので、力を入れているスカウトグループは多いですね」