警察が最凶と恐れるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」。2000人ものスカウトたちが路上やSNSで女性を狙い、次々と風俗店へ送り込む。独自の「闇アプリ」で支配された組織は、年間数十億を稼ぎ出し、裏切り者には凄惨なリンチを加えるという。暴力団や警察官までも飲み込む、この地獄のような組織の実態とは――。

 ここでは、組織の実態に迫ったルポルタージュ『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(著=清水將裕・日本橋グループ*、講談社)より一部を抜粋。「ナチュラル」が手がける海外売春について紹介する。(全5回の3回目/4回目に続く

写真はイメージ ©KeyRabbits/イメージマー

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「このスカウトというビジネスモデルそのものがどうなるんだろうなって」

 ナチュラルは、いまや2000人以上の規模に拡大し、その活動内容にも変化が出てきている。

 これまでは、ソープランドやヘルスなどの風俗店のほか、キャバクラやラウンジなどの接客がある飲食店に女性を斡旋することで、仲介料としてのスカウトバックを得てきた。しかし、法改正と警察の取り締まりで、それだけを収益にしていくことには限界が来ようとしているのが現状だ。

「これまでの一番の取引先ともいえる、ソープランドに関しては、警察もけっこうマークしていますからね。栃木とか大分とか石川、このあたりの地方のソープは、スカウトの斡旋を受けていたとしてすでに摘発されています。あと、最近は比較的大丈夫だと思っていたデリヘルについても、紹介したスカウトが捕まるケースが出てきています。この状況だと、このスカウトというビジネスモデルそのものがどうなるんだろうなって、みんな思いはじめています。もうこの業界で稼ぐのは難しいと言って、やめる人間もちらほらいますよ」(現役メンバー)

真偽不明の「ドバイ案件」がXなどのSNS上で拡散

 2025年、「ドバイ案件」なるワードがXなどのSNS上で拡散した。

「ドバイ案件」とは、ドバイにおいて高額な報酬と引き換えに女性が特別な性的サービスを提供することを指す。ドバイに集まる富豪から数千万円とも1億円ともいわれる超高額のおカネをもらえるが、その代わりに非常に過激な内容のことを受け入れなければならない案件だという噂が、あちこちに広まった。

 男たちの変態的な趣味や、日本では到底受け入れられないグロテスクなことをしなければならないという、真偽不明ではあるが実際にあり得そうな話だった。

 特に衝撃だったのは、「男たちの見ている前でヤギとの性行為をすると1億円」というもので、これについては情報の出所が分からないまま都市伝説のようになっている。