つんくをして「ミラクル」と言わしめた存在感、そして自分の可能性に一点の疑問も持たない強烈な輝きは、モー娘。に還元されるより、アニメ『きらりん☆レボリューション』キャラクター発ソロプロジェクト、「月島きらり」にバシッとハマってしまった。グループでは浮いてしまう高身長と長い手脚を振り回し「恋☆カナ」「バラライカ」を歌う姿は、見ているこちらが異空間に飛ばされるくらいのパワーがあった。

道重さゆみの個性と才能を“半ば強制的”に覚醒させた

 グループ内ではむしろ嵐の如くひっかきまわす異端児ぶりを発揮していたが、それが、教育係・道重さゆみの個性と才能を半ば強制的に覚醒させた。その後、道重がリーダーとして大活躍することになるのだから、久住は遠回りながら再生の立役者と言える。楽曲的にも、道重とのユニット曲「レインボーピンク」やジュンジュン、リンリンとのユニット曲「グルグルJUMP」は、久住のクレイジーな迫力に元気をもらえる名曲である。

道重さゆみ(2014年1月撮影) ©︎時事通信社

パリのジャパンエキスポでの“高評価”

 このように、嫌われる勇気をもったメンバーが、愛されたいと願い、老舗を守るプロとして各々役割を見つけステージでガッチリと結束。ひたすらスキルを磨いているうちに、世界的アイドルブームが到来。2010年7月に参戦したパリのジャパンエキスポで高く評価されるなど、向かい風が追い風に変わっていった。そして彼女たちは「プラチナ期」(2007年6月から、9期メンバーが加入する2011年1月まで)と伝説化されることになる。

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“プラチナ期”に当たる「モーニング娘。コンサートツアー2010秋」最終日。(手前から)亀井絵里、光井愛佳、道重さゆみ、ジュンジュン、田中れいな

 低迷期に腐らずもがいた努力は、後年「信頼と実績」に昇華した形となった。しかし当時はきっと、出口のないトンネルを進むような思いだっただろう。先輩たちが作った長い歴史を止めることはできない。歩いていくしかない。

 この時期、ライブを中心に生きたモー娘。の楽曲は、シングルよりアルバムに名曲が多い。実際、「高橋愛が選ぶハロプロサブスク超解禁集」では「SONGS」がチョイスされている。2009年、アルバム『プラチナ 9 DISC』に収録された楽曲で、「生きるのが下手 笑うのが下手 上手に甘えたりもできない」(作詞・作曲:つんく)という歌詞が印象的な歌だ。

 モーニング娘。の楽曲は、時代の流れに幾度となく流され、何度も何度も脱皮と団結を重ねてきた「負けない女の子」たちの歴史そのものだ。

 低迷しても、模索し、努力し巻き返していく敗者復活のパワー。泥臭くて野心的。歌いたい、踊りたいという「大好き」の原点を思い出せるのである。

 それはこれからも続いていく。3月21日に18期メンバー、中学2年生の杉原明紗(14)が加入。4月9日には、牧野真莉愛(25)の卒業発表が飛び込んできた。

 それぞれの時代にある、モーニング娘。という青春コレクションは、これからも続く。

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