公共水道以外にも深刻な問題がある。個人の井戸や、地域で管理する簡易水道では、そもそも検査項目にPFASが含まれていなかったため汚染に気づけなかったケースが多い。諸永氏は「今になって対策を迫られている方たちもいるが、汚染源がわからず、浄化を求めることができない」と語る。
「汚した人が誰なのかわからない。そのため、汚された水を飲まされたうえに、その浄化費用まで自分たちで負担しなければいけないという方々が、全国のあちこちに出始めている」
汚染源は3つに分類できる
いったい汚染源はどこなのか。諸永氏は3つに分類できるという。
第一に基地・空港。航空機火災に備えた消火訓練で使われる泡消火剤にPFASが含まれており、訓練のたびに環境中に拡散してきた。防衛省は認めていないが、米軍基地で9カ所、自衛隊基地で15カ所が汚染源と見られる。
第二に工場。半導体や自動車に限らず、フライパンや電気釜、あるいは衣類などのコーティング加工を施す工場からの排出が、川を汚し、飲み水を汚してきた。
第三に廃棄物。岡山県吉備中央町では、PFASを除去するために吸着させた使用済み活性炭がきちんと処理されずに放置されていたことが判明している。 除去に有効な活性炭も、3~6カ月で交換が必要になり、使用済みのものは約1000度で焼却しなければPFASは分解できないが、。その焼却施設は全国でまだ10カ所余りしかないという。
PFASはいまも全国各地の地下水や川や土壌に
さらに、全国各地にある産業廃棄物処分場でも、ゴミの中から染み出したPFASが周辺環境を汚染している実態が明らかになってきたという。
しかし、環境省が「汚染源」と認めた現場は一桁にとどまる、と諸永氏は言う。
「汚染源が放置されるのは、規制に後ろ向きな政財界の意向を優先しようするだけでなく、法的な規制の網がかかっていないからでもある。環境基準などが定められていないため浄化が進まず、PFASはいまも全国各地の地下水や川や土壌などに含まれたままだ」
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