「ぎゃーっ!!」
驚きと激痛で叫ぶ。熱湯をかけられた皮膚がでろん、と溶ける。
「……今後は挽回しなさいよ。……病院に連れて行ってあげるから、勉強中にうっかり飲み物をこぼしたって言いなさい」
痛みと恐怖でしゃくりあげる私に、冷ややかな母の声が突き刺さる。
定期テストの得点表は、教師の手作りで数字も手書きで書きこまれていた。あかりはそれを学校帰りにコンビニに寄ってコピーし、数字を書き換えて母に見せたが、見え透いた改竄はすぐに露見し、凄まじい罰を受けることになったのだ。
「噓つき」「バカ」「デブ」「不細工」母親からの罵声の数々
母の罵声は、「詰問」「罵倒」「命令」「蒸し返し」「脅迫」など、いくつかのパターンがあった。暴風雨のようなその怒声の前に、いつも立ちすくむほかなかった。
・詰問
「どうしてちゃんとできないの?」
「何でこんなことが分からないの?」
「勉強したてなのに結果が出ないってどういうことなの? それって本当に努力したって言えるの?」
・罵倒
「噓つき」「バカ」「デブ」「不細工」
・命令
「言い訳しない!」「噓をつくな!」「寝るな!」「勉強しろ!」「素直に謝れ」「家から出て行け!」「学校をやめろ」
(「出て行け」「やめろ」と言われ、うかつに「そうする」「分かった」と応じると、「開き直りやがって!」「土下座して頼め」と激昂する。「どうか家にいさせてください」「どうか通わせてください」と頼みつづけるしかない)
・蒸し返し
「大体あんたはいつも同じことの繰り返し」
「前もそう言ってたけど全然できてないじゃん」
「あんたは保育園(小学校、中学校)のときから……」
・脅迫
「お父さんみたいになるよ」
「バカ学校にしか入れないよ」
「附属になんかとても行けないよ」
「次やったら家から追い出すからね」
「ちゃんと成績取れなかったら学校辞めさせるからね」
