こうした複数の要素から導き出した彼らなりの答えが、「必要な残業はするけれど、基本的には定時退社で一定の成果を出しさえすればよい。出世に関しても、苦労してまで昇進する必要はない」です。要は、バリバリ働きたくない。

 私たちの調査でも「バリバリ働いていきたい」と回答したのは49.1%(男性50.0%、女性48.5%)。「バリバリ」のイメージを聞いたところ、「平均以上の年収を得る(48.4%)」「自分の稼ぎで生活ができる(46.0%)」「自分の稼ぎで好きなものが買える・好きなことができる(43.7%)」が上位になり、「市場価値が高い(31.6%)」「休みを返上して働く(30.7%)」といった項目よりも高くなっています。

 Z世代の「バリバリ働く」とは、「自立した生活をする経済力を得るための働き方」というイメージがあると言えそうです。

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自分の市場価値は上げたいけど、他の同僚よりは頑張りたくない

 ただ、そんな若手世代の中でも、出世意欲を持つ人はいます。前述の調査結果の通り、Z世代の中でも1割ちょっとは起業意欲や社長になりたいモチベーションを持つ人がいました。

 したがって、マネジメントに向いている人、意欲がある人にはその席を用意し、現場にい続けたい人にはそのポジションをキープ、またジェネラリストかスペシャリストかも選べるように、いくつかの道があることを示すといいでしょう。

 1本だけじゃなく、いろんな選択肢を用意して、選んでもらえるように。選択肢の提示は、本人の適性を見ながら、すり合わせをしていく必要があると思います。

 1つ誤解してほしくないのは、若手世代は仕事にまるでやる気がないわけではない、ということ。基本的にキャリアアップはしたい。自分の市場価値を上げたい。AIに取られない職業に就きたい。そういう意欲はあるけれど、他の同僚よりは頑張りたくない。そんな矛盾した感情が共存しているのです。

 市場価値を上げることが出世とリンクしていないだけ。どこに行っても活躍できる、多方面で対応できるスキル(ジェネラリスト)か、専門性を極めるか、どちらかに重きを置いている人が多いと考えるといいでしょう。

次の記事に続く 上司「残業しないで帰っていいよ」→若手「ホワイトすぎて成長できない」→まさかの退職…Z世代がすぐに会社を辞めてしまう“本当の理由”