藤原季節に垂れるロウソク、内藤剛志の止まらぬおしゃべり…『幕末ヒポクラテスたち』で京都弁の“楽しい変人”を演じた佐々木蔵之介が語った「熱い撮影現場」

佐々木蔵之介インタビュー

相澤 洋美

内藤剛志さんがずっとしゃべり続けていて……

──ライバルとも言える漢方医・荒川玄斎を演じる内藤剛志さんと互いに嫌味を言い合うシーンは、アドリブですか?

佐々木 アドリブに見えるかもしれませんが、あれは脚本通りです。内藤さんは普段からたくさんお話ししてくださる方で、カメラが回る瞬間までずっとしゃべり続けているので、本番ではアドリブを入れる必要がないんです(笑)。

──終盤、太吉と玄斎が時の流れの残酷さを受け入れながら語り合うシーンは、観ていて胸が痛くなりました。

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佐々木 年齢を重ねた太吉が、時代に取り残されているのを実感するシーンですね。これは現実の世界でもよく感じることです。自分では前を走っているつもりでも、あっという間に抜かされていた、というのはよくありますよね。

 僕が演じた太吉も、最初はその感覚を認めたくない部分がありますが、それは決して悪いことではなく、背中を押す側になるんだ、と受け入れる。そんな意識で演じました。

©「幕末ヒポクラテスたち」製作委員会

──劇中で太吉が若い新左に「人生は短し、術の道は長し」と説くシーンは、佐々木さんがベテランとして、若手俳優である藤原さんに語りかけているようにも見えました。術の道と同じく「俳優の道」も長いと思われますか。

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佐々木 あとどれくらい、などと考えたことはありませんが、自分ではそれなりにはやってきたと思います。もうええかな、と思うこともありますが(笑)、僕より年齢も芸歴も上の先輩方がまだまだ軽やかに活躍されていらっしゃる。芸の道を極めるのはもちろん大変だと思いますが、いつまでも元気に芝居をされている先輩がたくさんいすぎて、「もう疲れた」と言いづらいのが目下の悩みです(笑)。

撮影:志水隆