原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査に関し、東京都小笠原村の渋谷正昭村長が事実上容認する意向を示した。南鳥島が候補地に急浮上してから1カ月余り。住民からは結論が拙速である点を疑問視する見方が出る一方、理解を示す声もあるなど、意見は分かれている。

 関係者によると、13日の村民説明会で渋谷氏は、地元からの要請ではなく国が主体的に調査を申し入れた初のケースであることを踏まえ、「国の責任で判断すべきだ」と強調。説明会に参加した小西稔紀さん(67)は「『責任の所在は村ではなく国にある』と示したのは正しいと感じた」と受け止めた。ただ、村民からは「時間をかけて結論を出すべきだ」といった声も出た。

 国が小笠原村に文献調査実施を申し入れたのは3月3日。村議の一人は、「降って湧いた話だった。丁寧に議論を積み重ねる必要があり、しっかりと住民の意見を反映した形で判断すべきだった」と指摘した。

ADVERTISEMENT

 一方、日本最東端の南鳥島は離島で、村民が住む父島や母島から南鳥島までの距離は約1200キロ。会社員の男性(48)は「賛成とも反対とも言えない」としつつ「同じ小笠原村だが、内地までの距離よりも離れている。一般住民も住んでいないし、理にかなっているかもしれない」と話す。

 観光業に携わる60代男性は「あまりにも離れ、日常的ではない場所なので実感がない」と冷静に受け止めていた。