文太ノリノリのUFO通信
『未知との遭遇』は、第二次世界大戦中にバミューダトライアングル上空で行方不明となった戦闘機が発見されたことをきっかけに、地球へ飛来した未確認飛行物体によって巻き起こる人類と宇宙人との交流の物語だ。75年公開の『ジョーズ』に続き、リチャード・ドレイファスが主演し、ヌーヴェルヴァーグを代表するフランスの監督トリュフォーと共演したことも話題となり、スピルバーグの名をより日本に接近させた大作としても有名である。
クライマックスで登場した宇宙人は、スキンヘッドで手足が細く目の大きいシンプルなビジュアル。それまでのオカルト系雑誌や映像では宇宙人といえば、バージニア州フラッドウッズに現れた丸顔で丸目玉の、スカートをはいたロボットのようなデザインが決まって紹介されていたが『未知との遭遇』以降、そのビジュアルが大きく変わったといわれる。
このブームに素早く反応した東映は、普通ならばそれっぽいSF映画を作って公開するであろうはずが、4月に公開した『宇宙からのメッセージ』でこりたのか、あえて『トラック野郎』に乗っけてふざけまくったことが幸いしヒットに繋がった。
『未知との遭遇』よろしく国道に広がるまばゆい光線の奥には、UFOではなく「トルコ宇宙船」(実際に営業していたらしい風俗店)がそびえ立つという飛びすぎた演出は東映という会社だからできたおふざけであり、宇宙空間に標識があるという国土交通省もぶったまげの荒唐無稽なアイデアは『未知との遭遇』というよりは『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(89年)に近いセンスだ。そんな東映ならではの遊び心に、実は超真面目な文太がよくOKしたものだ、と思いきや、なんとこれ、文太自身が『未知との遭遇』をやりたいと申し出ての企画だというから驚きだ。