おかげで前作より1億円も多くの配給収入をたたき出し、UFO計画も大成功となった。主題歌『一番星ブルース』を作ったダウン・タウン・ブギウギ・バンドも文太が推薦してあの名曲が誕生したのだから文太はかなりの目利きといえよう。

倉本聰作品もUFOが

 元々『トラック野郎』は完全な喜劇として作られているので、『男はつらいよ』シリーズの映画冒頭における寅さんが見る夢のシーンにも匹敵するちょっとやんちゃな挑戦もありだったのだろう。同時期公開の『男はつらいよ 寅次郎わが道を行く』(山田洋次監督、78年8月5日公開)での夢のシーンは、帽子型のUFOに乗った第三惑星の宇宙人の寅さんが登場するなど『スター・ウォーズ』(78年日本公開)を皮肉ったような発想であった。

『トラック野郎』撮影中の文太&キンキンの主演2人を当時のワイドショーが取材した映像では、2人とも脂が乗り切ったいい顔で冷やし中華と餃子をあてにビールを飲んだり、上半身裸で懸垂するなどとにかくワイルドで楽しそうにギラギラしていた。

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 また、マドンナ役の原田美枝子は、この映画からわずか3年後、日本のドラマ史上に残る名作『北の国から』(81~82年)の教師・涼子先生役を演じ、子ども達のUFO目撃情報が大きくなり、涼子先生は宇宙人ではないかというこれまた無理矢理かつ子どもの夢満載の幻想シーンにチャレンジした。

 脚本の倉本聰も、UFOブームに便乗して、78年に東宝で岡本喜八が監督した無特撮のSF映画『ブルークリスマス』(11月23日公開)のシナリオを担当しているのでそっち系の話にも興味があったと思われる。本当にこの年の日本はUFO一色だったのだ。

次の記事に続く 「いつも裸の女性が出てくる映画」がなぜ子供からも愛される“国民的作品”に⋯菅原文太のイメージを激変させた『超人気シリーズ』の正体