一方の文太は、よほどトラッカー役がハマりすぎたのか、『故郷特急便』の公開前には大映映画『黄金の犬』(山根成之監督、79年6月2日公開)では通りがかりのダンプカー運転手役として1シーン出演。星印のついたジャンパーを着た桃次郎そのままのような男臭いキャラを演じている。

日本のメディアにおけるUFOブーム

『未知との遭遇』が公開された78年には、『スーパーマン』や『スター・ウォーズ』といった米国製のSF作品が続々公開され、そのたびに社会現象になった。

映画『スター・ウォーズ 新たなる希望』 ©getty

 この現象に日本の特撮界が黙っているわけがないはずだが、当時東映は『宇宙からのメッセージ銀河大戦』を、円谷プロは日本テレビと組んで『西遊記』をそれぞれ製作しており、直接UFOに関連した特撮は、東京12チャンネル(テレビ東京)で放送された『UFO大戦争 戦え!レッドタイガー』(78年4月8日~12月28日)ぐらいであった。

ADVERTISEMENT

 サンバイザー付きのヘルメットをかぶったようなヒーローレッドタイガーが活躍するこのドラマ、後楽園ゆうえんちが企画し、これまで東映の特撮番組で殺陣やスーツアクターを担当していた大野剣友会が原作、創英舎という超マイナーな謎の会社が制作という異色のSF番組であったが、レッドタイガーの怒りが頂点に達すると着ていた白のコスチュームが赤色に変化するというさしてどよめきもわかないような地味な設定と、放送局ともどもマイナーすぎて全国区の人気にまで火がつかなかった。

 また、ブーム便乗のバラエティドラマとして、TBSが『UFOセブン大冒険』(78年4月6日~9月28日)を放送。アイドル歌手の榊原郁恵がUFOの故障により78年の世界へ現れた未来人というこれまたやんちゃな設定で、UFOセブンなる少年少女たちとともに、郁恵ちゃんの姉役のピンク・レディーの待つ未来の世界へ帰るまでの奮闘を描く冒険ファンタジーだ。

 当時大人気だった郁恵ちゃんの魅力と「UFO」という曲が振付けとともに大ヒットしたピンク・レディーの人気が爆発し、UFOセブンの一員になって一緒に旅をしたいという全国のちびっこ視聴者で溢れかえる人気番組であった。その後、郁恵ちゃんと並ぶ当時のアイドル大場久美子を交えた『マジカル7大冒険!』(78~79年)、『少女探偵スーパーW』(79年)、郁恵ちゃんと井上順をメインにした『ミラクルTV大出動』(79~80年)など長期シリーズ化され、『スーパーW』ではあの手塚治虫先生(本人)がベレー帽を盗まれるという事件が発生、ハチマキ姿の手塚先生が登場するなどのお宝回も誕生した。

 このシリーズの流れを組んだと思われるSFアクションドラマ『ピンキーパンチ大逆転』(1982年4月1日~9月30日)は、アイドルの松本伊代と柏原芳恵を主演に、女だけが住むロリータ星から地球へやってきた宇宙人女子2人が難事件に挑むストーリーで、超能力を持ったスーパーギャルに変身し毎回アクションに挑んだ。